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【ライブレポート】夢を夢で終わらせないために彼はここに立っている。北林楓が「KAEDE KITABAYASHI 1st LIVE TUNE COLORS JOURNEY」で魅せたアーティストとしての決意

【ライブレポート】夢を夢で終わらせないために彼はここに立っている。北林楓が「KAEDE KITABAYASHI 1st LIVE TUNE COLORS JOURNEY」で魅せたアーティストとしての決意

丁寧に言葉と音楽を紡いだファーストライブ

2024年にNetflixで配信された大規模オーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(通称:タイプロ)で、約1万9,000人の応募者の中から厳しい選考を勝ち抜き、4次審査まで進出した北林楓がアーティストとして始動することが発表されたのは、今年10月29日。第1弾『I LOVE MESS』でデビューを飾り、11月26日には第2弾『Signal RED』と立て続けに楽曲をリリースし、ファンを沸かせたが、そんな彼の初となるSHOWCASE LIVE『KAEDE KITABAYASHI 1st LIVE TUNE COLORS JOURNEY』が12月16日、LIVE & BAR Shibuya Milkywayにて開催された。彼の初ライブは、2部公演。今回は第2部の模様をレポートしていこうと思う。

彼の初舞台を見届けようと、LIVE & BAR Shibuya Milkywayには多くのオーディエンスが詰めかけている。老若男女、さまざまな年齢層のオーディエンスを見ると彼がどれだけ期待されているかが理解できるが、これから北林楓というアーティストはどんなライブを我々に魅せてくれるのだろう。ライブの開始時間がやってきた。SEが流れると、まずステージに姿を現したのは、”一夜限りのスペシャルバンドメンバー”である、須田原生(Gt./ Bentham)、でらし(Ba./ ハンブレッダーズ)、八木優樹(Dr./KEYTALK)の3人。大きな歓声がフロアを包み込む中、本日の主役である北林楓は、右腕を高く上げステージに現れた。

「初めまして、北林楓です。1部に負けないくらい最高の声を出してください」

ライブは、彼のデビュー曲『I LOVE MESS』からキックオフ。極上のバンドサウンドがフロアを包むと、北林楓は歌う。冒頭からフルスロットルで歌唱する彼の魂のこもったパフォーマンスにオーディエンスも呼応するように、自由に体を揺らし、彼の最初のライブに花を添えている。〈I love a mess, mess, mess. 風と走って〉とキャッチーで耳馴染みのいいリリックには口ずさみたくなる魅力がある。オーディエンスも彼と一緒になって〈mess, mess, mess.〉と声に出す。すると、「ここからは皆さんの声を聞かせてください」と煽る北林。フロアに響く〈mess, mess, mess.〉コール。ライブはまだ1曲目だが、すでに北林楓のフィールド、温かい時間が流れている。「ありがとう! 最後まで楽しんでいってください」と曲を閉じると、ステージは赤く染まる。『Signal RED』のサウンドがフロアを包む。「I LOVE MESS」とは異なる世界観。彼の歌声にも力が宿る。そんな声に寄り添うように奏でるスペシャルバンドメンバー。北林楓の歌声を中心に濃密なサウンドが鳴り響くと、オーディエンスは大きな歓声を上げる。ボルテージは上昇傾向。北林楓という1人のアーティストが確実にこの場を掌握している、そう思った。

デビューからの2曲を歌い終えると、八木優樹がビートを刻み始める。そこにでらしのベースの音色が乗る、3曲目に披露されたのは『care』。「背中を押してくれた曲」だと赤西仁のカバー曲を披露する彼。その歌唱からは、リスペクトを感じ取ることができる。須田原生のスキルフルなギターソロもあいまって、情感たっぷりなステージメイク。北林楓の歌声にオーディエンスは酔いしれている。温かい視線を送るオーディエンスに彼は嬉しそうな笑顔を見せ、カバーソングを歌い終える。すると北林は口を開いた。

「盛り上がっていますか?! もっと! もっと!」

フロアを煽り、その声援が大きくなると笑みを溢す彼。

「1部は緊張しすぎてしまって…。だから2部はテンションを上げて3曲披露させていただきました!」と、言葉にすると、冒頭の3曲の曲紹介を始めた。

「『I LOVE MESS』は、つまずいたり悩んだりすることもあるし、ダサい一面がある自分だけど、そんな自分さえも愛していこう。大好きな音楽と自由な生き方を歌った曲。『Signal RED』は夢をバカにされ、悔しい気持ちを歌詞にして、ファンの皆さんと一緒に次のステージへ行くぞという思いを込めた曲。須田さんには、可能性を感じる曲だと言われ、自信を持って披露しました。そして、『care』は幼少期からKAT-TUNの英才教育を母から受けていて、赤西くんの曲は全て好きだけど、カバーするなら今日披露するならこの曲しかなかった」

途中、「真面目すぎるかな?!」と言葉にすると、でらしから「真面目なところがいいところだよ」と言われ、照れる北林。

彼のMCを聞いていて、改めて思う。北林楓は心底音楽が好きなんだと。照れ臭そうに、でもしっかりとオーディエンスに伝わる言葉を紡ぐ彼の姿にオーディエンスは優しい視線を送っている。最強で最高なバンドメンバーの紹介を終えると、「タイプロでも歌った楽曲です」とSMAPの『SHAKE』を投下する。「プルルル ハーッ!!!!!」とパフォーマンスがスタートすると、フロアは大きな盛り上がりを見せる。飛び跳ねるオーディエンスがいるこの最高空間で鳴る音はスペシャルバンドのスペシャルアレンジ。小気味に鳴り響くサウンドを乗りこなし、彼はリスペクトを込めて往年の名曲を歌い上げる。ライブは中盤戦、かなり温まったフロアとステージ。間髪を入れず、「不器用な僕だけど君と過ごした未完成な日々が、これから君と未来を繋ぐ物語を歌った曲」と『ミカンセイレコード』を投下。スポットライトに照らされながら、彼は音の葉を紡ぐ。丁寧にオーディエンスに届けるように歌唱する彼。その歌声を中心に広がる音像。オーディエンスはただただ彼のパフォーマンスに酔いしれるだけ。

気付くとステージには彼1人になっていた。「バンドメンバーがいなくなると、すごく寂しい。なので、対話に付き合っていただけますか?」と彼のフリートークが始まる。「どこから来てくれましたか?」という質問に「熊本」、「沖縄」と声が飛び交う。タイプロでのエピソードを交えながら、指笛を披露する一幕もあり、フロアは笑顔と笑い声で包まれている。

「今日はファンの皆さんに感謝の気持ちを伝える場。その気持ちは届いていますか。LEDリストバンドでライブを盛り上げてください。ここから続けて2曲披露します」

どんな時も自分らしく輝こう。ファン共に歩んでいこうという思いを込めたという『Shine On』がスタートする。〈オレンジ光る空 眩しかった〉と歌詞にある通り、LEDリストバンドはオレンジ色に光り輝く。温かい空間の中で、「リストバンドを見せて!」と彼が言葉にすると、七色に光るリストバンド。「イェーイ、イェーイ、KAEDE」とコール&レスポンス。笑顔でフロアに手を振る彼には、どんな光景が映ったのだろう。きっと最高の景色だったに違いない。その証拠に彼の表情は温かい太陽のように眩しい笑顔だった。続く、『Diamond』はバラード曲だった。北林楓が初めて作詞した楽曲であり、ファンを思って書いた曲。

「僕を観たいと言ってくれた皆さんがいるから僕はここに立っている。いただいた言葉が僕の背中を押してくれた」

魂込めて歌う彼の一挙手一投足から目が離せない。歌詞の中に〈夢の景色で終わらないように〉という一節があった。これは彼の等身大の言葉、北林楓は、夢の景色で終わらせないために今日このステージに立ち、我々に大好きな歌を届けてくれているのだ。〈本気で生きた今日があるから、君の手をとって歩いてゆく〉、ファンともにまだ観たことのない景色をたくさん観てほしい、『Diamond』を聴いてそんなことを思った。曲を閉じると彼は再び口を開く。

「気持ちを込めすぎて、泣きそうになりました。次は『虹』。うまくいかない日は誰にでもある踏み出した一歩が未来へつながる一歩だということを歌った曲」

と、このライブの翌日12月17日の0時に配信リリースされた『虹』を投下する。同級生であるSigma-Tと制作したというこの楽曲を丁寧に歌い上げる彼。そんな彼の姿に呼応するようにオーディエンスも体を揺らし、腕を高く突き上げる。多幸感溢れるフロア。〈躊躇わないで 前だけ向いて 雨上がりの空に虹を見つけられなくても 選んだ道へ 踏み出した一歩が 全て正解だと 思える日が来るさ〉と歌う彼の表情は、未来を見据えた自信に満ち溢れた表情だったと思う。

皆さんの背中を押せるアーティストになれるように

ライブも終盤戦。再び彼は言葉を紡ぐ。タイプロで味わった悔しさ、そしてその上で自分を待ってくれるファンの温かい言葉とファンへの感謝、丁寧に言葉を紡ぐとーーー。

「僕はまだ音楽を始めてほんとに生後3ヶ月の赤ちゃんぐらいの存在です。でも、一歩一歩着実に音楽について学び、もっともっと大きなステージで皆さんに会えるように、皆さんの背中を押せるアーティストになれるようにこれから死ぬ気で頑張っていきます。これからも北林楓をよろしくお願いします!」

と、決意表明をして、「最後にめちゃくちゃカッコいい曲を披露させていただくんですけど、そんなテンションだと、帰っちゃうよ?!」とオーディエンスを煽り、自身で作り上げた最高の盛り上がりの中スタートした、『曖昧ロマンス』。クラップが巻き起こるフロアで、セクシー楓がステージに鎮座する。異なる表情を魅せる彼にフロアからは大きな歓声とクラップ。この日1番の盛り上がりの中、「まだまだ盛り上がっていけるか?! 声だしていけるか?! ラスト!!」と『I LOVE MESS』を再び投下。ステージを縦横無尽に動きながらオーディエンスと音楽を介したコミュニケーションを楽しむ北林。その表情は嬉しさと達成感が混在する、素敵な表情だったと思う。ボルテージは最高潮のまま「KAEDE KITABAYASHI 1st LIVE TUNE COLORS JOURNEY」は幕を閉じたのだった。

TEXT 笹谷淳介

PHOTO Toshinori Katagiri (fantech)

セットリスト

1.I LOVE MESS

2.Signal RED

3.care

4.SHAKE

5.ミカンセイレコード

6.Shine On

7.Diamond

8.虹

9.曖昧ロマンス

10.I LOVE MESS

アーティスト情報

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