【ライブレポート】ここにいる全員で「ここはライブハウス!」と歌い叫んだ、あの胸が熱くなった瞬間を本当に忘れたくない!!!「Conton Candy pre. Boost! Boost! Boost! Tour 2025」ファイナル公演
高校時代から繋がりのあるバンド35.7を迎えて開催
TVアニメ「終末ツーリング」のオープニングテーマにも起用中の『Touring』を、12月10日(水)にシングル発売。リリースに先駆け、彼女たちは11月に東名阪ツアー「Conton Candy pre. Boost! Boost! Boost! Tour 2025」を行った。各地でゲストを迎えて行った同公演。ファイナルの地であり、チケットはSold Outを記録した、11月30日(日)に代官山UNITで行われた公演は、高校時代から繋がりのあるバンド35.7を迎えて開催。ここでは、当日のライブの模様をお届けしたい。

かすかに響く鳥の囀り。次第に流れだす穏やかな調べ。やがて楽曲が躍動するのに合わせてメンバーが次々とステージへ。一人一人姿を現すたびに、フロアから熱い声が上がりだす。それぞれに相棒(楽器)を手にした3人が互いを見合い、ハートのチューニングを合わせるのを合図に、楽曲は心地よいテンポで駆けだした。幕開けを飾ったのは、『プードル』だ。音の風を切って軽快に走る演奏の上で、紬衣(よみ:つむぎ)のエモーショナルな歌声がフロア中に響き渡る。場内のあちこちから上がる拳、拳、拳。曲が進むごとに体温が上がっていくように感じていたのは、彼女たちが胸を踊らせる”楽しい”刺激を与えていたから?!いつしか、フロアから振り上げた拳に合わせて声も張り上がっていた。この場にいるみんなで一緒にアガっていく。その感覚が、なんか嬉しい。
荒々しいギターの音が場内中に鳴り響く。『執着』では、次第に熱を帯びていく紬衣の歌声を、楓華(よみ:ふうか)と彩楓(よみ:さやか)の双子のリズム隊が切れ味鋭くもバシッとしなる演奏で引き締める。とても力強く、躍動した姿だ。気持ちを揺さぶる歌声や演奏に刺激を受け、場内のあちこちで身体を揺らし、拳の上がる景色が広がっていた。「あなたについた嘘」と甘く、でも情熱的に歌う紬衣の声がエモい。次第に現実が消えてゆく感覚も、やっぱし嬉しい。
紬衣が、ギターを弾きながら「普通じゃないのにね」と歌いだした。『普通』の演奏に、胸がドキッとときめいた。楓華と彩楓の美しいハーモニーも加えながら、楽曲は優しい歌の風をそよがせる。歌に酔いしれる感覚と言えば良いだろうか。とくに、サビで響かせた歌声とハーモニーには、心に優しさを感じながらもエモーショナルさも覚えていた。後半には、紬衣が力強く言葉を吐き出すように叫べば、楓華の駆け上がるように唸るベースに気持ちを揺さぶられるなど、どんどんエモさを増していく様も見せていた。
そこへぶつけたのが『ファジーネーブル』だもの。彩楓のシャープなビートに楓華のベースが躍動を加え、紬衣がザクザクとしたギターの音を重ねだす。「ファジーネーブルの匂いで わたしどこかに行けそう」と歌う紬衣の声に合わせて、フロアのあちらこちらから一緒に歌う声が上がっていた。ファジーネーブルのような、甘い香りの立つ歌声が場内中を包み込むようだ。中には、ズーッと一緒に歌っている人も。終盤、観客たちだけで「ファジーネーブルの匂いで わたしどこかに行けそう」と歌った声を合図に、3人がパフォーマンスを通して場内の熱を上げていった展開にも、最高に気持ちが弾んだ。最後に「オレンジ色に染まる」と歌い終えたエンディングも印象的だった。

MCでは、この日の対バン相手の35.7が、高校時代の後輩バンドという話をしていた。Conton Candyの始まりも、高校の軽音楽部を通してだった。そんな懐かしい話の流れから、次に届けたのが、リリースを控えた最新シングルのC/Wにも収録になる、高校時代に生み出した『道化師』(よみ:ぴえろ)だ。
『道化師』は、優しい声で弾き語る紬衣の歌から始まった。甘酸っぱい衝動を抱いた曲と言えば良いだろうか。今、聴いても新鮮さを覚えるのはもちろん。シンプルな演奏の上で、思いを噛みしめるように歌っていた紬衣の姿と言葉が胸に印象的に響いていた。「愛したい」と次第に感情を露にしてゆく紬衣の歌声に、楓華と彩楓も「愛したい」と淡いコーラスを重ねていた。素直な心情の見える3人の歌声が、胸をキュッと鳴らす。終盤には、紬衣が言葉を語る場面も登場。その姿も、印象深く心に焼きついた。
「今日なら真っ直ぐに歌えると思います。誰よりも強く届くといいなと思います」と語った言葉を合図に、紬衣が白く淡いスポットライトの光を浴びながら『moonwalk』を歌いだした。彼女の思いへ寄り添うようにリズム隊の演奏も加わりだす。淡い輝きに包まれたステージの上で、言葉を、思いを大切に歌い奏でる姿が眩しく見える。紬衣は、自分の心へ問いかけるように歌っていた。3人とも、しっかりと自分と向き合いながら歌い奏でていたからだろう。歌声や演奏を通して、どんどん感情が露になっていく様も見えていた。
MCでは、今回の東名阪ツアーを振り返って、彩楓が「瞬きしている一瞬のような、でも、その中に映画50本を観たくらいの濃さを感じていた」と語れば、楓華が「瞬き1回で終わった」と巧みに言葉を重ねながら、同じように濃い日々を過ごしてきたことを語っていた。紬衣の「わたしたちの世代で、もっと音楽の世界を熱くしていきたい」の言葉にも、強い決意を感じた。
「みんなで歌おう」の言葉を合図に、紬衣が『ロングスカートは靡いて』を歌いだすのに合わせて、場内中の人たちも一緒にシンガロングを始めた。「夜の風にのって ロングスカートは靡いて」とメンバーらが力強く歌うたび、同じように気持ちを熱くした歌声が、場内のあちらこちらから上がっていた。「みんなでいこう」と声をかけた紬衣の言葉を合図に、フロア中から熱い声と拳が突き上がる。なんてエモい景色だ。互いが気持ちと気持ちをぶつけ、重ねあう。サビをメンバーと観客たちみんなで歌いあう光景も胸を踊らせた。
演奏は軽快に、でも、一気に速度を上げだした。カラフルに、パワフルに歌や音を響かせる『スノウドロップ』だ。熱を撒き散らすように躍動する演奏の上で、気持ちを解き放つエモーショナルな歌声が胸を貫く。だから、駆け続けるビートに合わせて、場内中からたくさんの拳が突き上がっていた。歌詞の一節ではないが、振り上げた拳で君の心を摑みたい。そんな気持ちだ。

荒々しくギターを掻き鳴らす音に、野太いベースの音が唸りを上げて絡めば、切れ味の鋭いドラムビートが力強く駆けだした。『102号室』でも3人は、曲を進めるごとにパワー感を満載した演奏を高いテンションで叩き出し、観客たちの気持ちを騒がせる。パワーが増幅し続ける感覚が、とても心地よい。紬衣の「愛してるよ、みんなー!!」の声を受け、場内中から熱い声が張り上がっていたのも忘れられない。
演奏は、さらに激しさとエモーショナルさを増していく。一気にBPMを上げた『爪』では、メンバーらが熱狂のアクセルを踏み込めば、同じように観客たちも感情のギアを上げて騒ぎ続ける。拳がガンガンに突き上がる景色が最高だ。ほんと、ライブハウスという空間にとても似合う画だ。そして…。
「こんなにも君が幸せそうだからさ 明日になるまで帰したくないのです」と紬衣が、声を高らかに歌いだした。彼女の歌声に合わせて、場内中でも起きた大合唱。眩い輝きを振り巻くように駆けだした演奏に触れていると、気持ちがカラッと晴れ上がる。サビで、メンバーと満員の観客たちが、拳を振り上げて『好きなものは手のひらの中』を一緒に歌いあう。その場にいるだけで胸が熱くなる。きっと青春って、終わりを知らない眩しい光のような景色の中にいることなのかも知れない。こんなにも楽しい時間を味わえる、それだけでいいのです。

音楽活動を続けていくことは。いや、日々を生きてゆくというのは、けっして楽しいだけじゃない。むしろ、つらさや苦しみ、逃げ出したくなる日々のほうが多いかも知れない。でも紬衣は、眩しい笑顔を見せる満員の観客たちの顔を見ながらこう叫んでいた、「こういう日のためにやっている」と。それくらい3人は、この日のライブを本気で楽しんでいた。ライブハウスという狭い空間の中に生まれる無限の幸せと楽しさと喜びを、身体いっぱいに吸い込んでいた。だから、彼女たちは掻き鳴らすギターの音に乗せて、こう叫んだ。
3人と、満員の観客たちが一斉に「ワンツー!!」と叫ぶのを合図に、Conton Candyは最後に『ライブハウス!』を演奏した。今の自分たちの素直な気持ちをみんなにぶつけたくて。この場に集まった何百人という仲間たちも、3人に楽しさを伝えたくて、自分たちの心のエンブレムナンバーの『ライブハウス!』を力強く拳を振り上げ、くしゃくしゃの笑顔で楽しんでいた。演奏中、紬衣が叫んだ「今のConton Candyが一番輝いていると思います」の言葉、本当にその通りだと思う。最後に、ここにいる全員で「ここはライブハウス!」と歌い叫んだ。あの胸が熱くなった瞬間を、本当に忘れたくない!!!
アンコールで、Conton Candyは『BABY BABY』を演奏。”エモい”なんて在り来りな言葉を使ってしまうけど。でも、気持ちが無性にエモく染まっていた。だから彼女たちと一緒に、自分らしい姿と歌声で「BABY BABY」と歌い続けていたかった。ほんと、それ以外は何もいらない。大好きな君の隣で「BABY BABY」と歌えているだけで幸せだ。

最後にConton Candyは、力強く、元気いっぱいに「旅に出るたび虹色に変わってく僕らの世界 止まりはしない」と、12月10日(水)にシングル発売を控えた『Touring』を届けてくれた。彼女たちとのライブというツーリングは、3人の運転する演奏の上にタンデムし続ける限り、けっして終わらない。彼女たちが切り開く未来へと繋がる道を、3人の背中越しに両手をまわし、力強くずっと抱きしめながら駆け続けたい。彼女たちが、どんな景色へ連れ出していくのか、その風景の数々を、これからも一緒に見続けたい。そんな気持ちを覚えながら『Touring』に触れていた。そして、次の旅への誘いを楽しみにしていた。
Conton Candyは、2026年5月より全国8都市を回るワンマンツアー「Conton Candy ONEMAN TOUR 2026」を行う。ファイナル公演は、7月12日(日)Zepp Shinjuku。こちらも楽しみに待っていてほしい。

TEXT 長澤智典
PHOTO タカギユウスケ
セットリスト
『プードル』
『執着』
『普通』
『ファジーネーブル』
『道化師』
『moonwalk』
『ロングスカートは靡いて』
『スノウドロップ』
『102号室』
『爪』
『好きなものは手のひらの中』
『ライブハウス!』
-ENCORE-
『BABY BABY』
『Touring』
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