インタビュー

【インタビュー】Am Ampが新作「ミス」をリリース。4人のルーツ、出会いを紐解き作品の魅力に迫る

【インタビュー】Am Ampが新作「ミス」をリリース。4人のルーツ、出会いを紐解き作品の魅力に迫る

舞台俳優にV系バンド、インフルエンサーと異色の経歴をもつメンバーで構成された東京発4人組ロックバンド・Am Ampが12月3日に『ミス』をリリースした。現在の彼らの思いが詰まった4曲が内包される本作はいかにして誕生したのだろう。今回は4人にインタビューを敢行し、たっぷりと話を聞く。Am Ampの音楽ルーツ、そして4人の運命的な出会い、Am Ampの魅力、作品の魅力を紐解いていこうと思う。

4人の異なるルーツ

Lotus初登場ということでまずは皆さんの音楽ルーツについて教えてください。

須賀京介(以下、須賀):僕は親の影響でザ・ビートルズが昔から家の中でCDコンポから流れていました。有名な青盤・赤盤だったり、いちばん流れていたのは『ラバー・ソウル』(1966年)のアルバムなんですけど、それがずっと流れている環境で。日本だとグループサウンズですね。チューリップやオフコース、財津和夫さんや小田和正さんの系譜をずっと聴いていました。その後、ビートルズの系譜を辿って、UKのローリング・ストーンズ、ザ・フーから始まり、ブリットポップのオアシスとか、2000年代初頭のガレージロックリバイバルでザ・リバティーンズとか、NYだとザ・ストロークスとか、そういったものを10代の頃から20歳の頃まで聴き漁っていましたね。

そこからルーツを辿るのが好きになっちゃって、それ以外だとビリー・ジョエルとかボズ・スキャッグスとか、AORというジャンルから歌的なものが好きになり。洋楽が多くなってしまうんですけど、その辺りがルーツですね。

幅広く聴かれていたんですね。

須賀:圧倒的にバンドが多いので、バンドが好きなんだなと思いますね。根底にビートルズがありますから。初期・中期・後期も一生選べないくらい好きなんですよね。ちなみに現在は後期がいちばん好きなんですけど、アイドル時代の初期もいいなと思ったり……、1ヶ月後にはまた変わっているかもしれない(笑)。甲乙つけがたいですね〜!

JOHNさんはいかがですか?

JOHN:ルーツはT.M.Revolutionさんですね。中学の頃までは、学生時代に流行っていたドラマの曲、例えばORANGE RANGEさんとか、D-51さんをうっすらMステや音楽番組を観ながら聴いていた記憶があるんですけど、アーティストを認識して聴いたのがT.M.Revolutionさんでした。アニメの主題歌を担当されているときに初めて聴いてのめり込んじゃったんですよね。中学3年間は西川貴教さんの曲を聴かない日はないくらいハマっていました。

そこからギターを始めるきっかけになったのは、西川さんのサポートメンバーだった柴崎浩というWANDSのギタリストの方に憧れてギターを始めて。西川さん関連で楽器にも興味が湧いてそこから高校時代、軽音楽部に入って……。それまでめちゃくちゃ流行っていたと思うんですけど、BUMP OF CHICKENやRADWIMPS、ONE OK ROCKを僕は知らなくて……(笑)。みんなこういうバンドをやるんだというきっかけから邦楽ロックを聴き始めるんですよ。

なるほど。

JOHN:音楽に詳しい人間が軽音楽部にいて、そいつから色々教わりながら、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやBLANKEY JET CITYのコピーをやるようになったので、いわゆる当時流行っていた邦楽ロックに触れる時間は少ない方。そこからガレージロック、それこそオアシスもやりましたし、ゆらゆら帝国をカバーしたり、LUNKHEADもコピーしましたし、出始めのSAKANAMONもやりましたし。

これまた幅広いですね(笑)。

JOHN:特殊な軽音楽部ですよね(笑)。高校の外でもバンドを組んでライブハウスで活動もしたりしていたんですけど、進学では音楽の専門学校に進学して。そこで海外のギタリストを教えていただいて、ジョン・メイヤーから始まりロベン・フォードやリッチー・コッツェン、ラリー・カールトンとかいろんなギタリストに触れて、「スティーヴィー・レイ・ヴォーンに音の出し方が似ているね!」と言われたりして、また聴いてみたり。

矢沢さんはいかがですか?

矢沢もとはる(以下、矢沢):自分にはルーツと言えるほどのものがないと言いますか……。もちろんフレーズのコピーなどはやってきてはいるんですけど、自分の中で音楽ルーツと言えるバンドやジャンルは実はないなと。森の環境音や川のせせらぎを聴いていたので、音楽でバンドというより、自分は苦学生だったので……。これは親の教育方針が“苦をさせる”という方針だったこともあるんですけど、CDを買うお金もなく、図書館でCDを借りる中で、ものすごく古い名盤と呼ばれるものか、環境音もしくはオーケストラ、それくらいしかなかった。

無音は寂しかったので、例えば山形の清流の音を聴いたりしていて。そこからなぜバンドを始めたのかというきっかけは、兄が実はビートルズが好きでベースを持っていたんですよ。だから楽器に触れる環境が兄のおかげであった。ただ、楽器には興味があるけど音楽は聴いてなかったので、音楽そのものに興味あるわけではなかったという変わった入り方なんです。

特殊というかなかなか稀有な存在ですね。

矢沢:楽器から入ってそのために必要だったからいろいろと音楽を聴いていったという形ですね。意外と鳥の鳴き声も一定のリズムだったりするので、そこはリズム隊として学びがある。

JOHN:それは無理矢理なのでは(笑)。

矢沢:(笑)。語れるほどのものがないので捻り出したのが、図書館で借りていたCD群が環境音かジューダス・プリーストみたいな! 真逆ですよね。

須賀:山形県の渓流の流れでジューダス・プリーストが入ってくるの?!

矢沢:なんかまとめられているんですよね。なぜか分からないけど、僕の家の近くの図書館では環境音とハードロック、ヘビーメタルが隣接していて。10枚まで借りることができたので、聴きながら落ち着くなと思いながら急にロブ・ハルフォードの甲高いシャウトが聴こえるという(笑)。

面白いですね。宮城さんはいかがでしょう?

宮城紘大(以下、宮城):僕はそれでいうと、猫の鳴き声や動物の鳴き声が好きだったりするので……(笑)。

(笑)

宮城:すみません! 真面目に話すと、僕のルーツは音楽というよりもエンタメ全般なんです。元々、エンタメという人に影響を与えるものが大好きでした。ドラムを本格的にスタートさせたのは、1年半前ですが学生時代は軽音楽部に入っていて。その理由も当時流行していた邦楽ロックの影響力に感銘を受けたから。「あのバンドが!」と休憩時間の度に話題になることってすごいことだなと思ったんです。そこからたくさんの曲をレンタルして聴いて。とにかく自分も誰かの会話の中に登場する人物になろうと思った。

Am Ampに入ってからは、音楽に詳しい須賀やJOHNに聞いて、それこそビートルズを聴くようになったり、自分が俳優をしていることを活かしたいと思うようになり、感情的なドラミングをするドラマーって誰だろうと調べるようにもなった。キース・ムーンやトラヴィス・パーカーといったドラマーに出会い、彼らのドラミングを参考に取り入れていこうと思ったし、自分がやってきたことを活かせるようなドラムを叩きたいと今も試行錯誤しています。とにかく人の心を動かすものを生み出したし、それっていちばん素敵だと思います。

全員がドラフト1位 運命的な出会い

それぞれの面白いルーツが聞けました。ここからはAm Ampとはというお話をしていきたいんですけど、最初は須賀さんが『都内・一人組バンド』と銘打ってスタートされたと思うのですが、始動された経緯についても教えてください。

須賀:背景でいうとドラムの宮城と知り合ったのが5年前のとある舞台。自分は初舞台の作品だったんですけど、それを機に役者活動を始めて。それ以前は人前に出る仕事というのは音楽しかなかった。それこそエルヴィス・プレスリーではないですけど二足の草鞋で活動をしたいというのは、10代の頃からの夢だったんですけど、役者活動の傍らでずっとバンドを組みたいと思い、水面下でメンバーを探していたんです。

堪忍袋と言ったらおかしいですけど、ちゃんとやりたい!というところで一旦もう1人で始めようというのが心境の経緯です。当時、1人で作詞・作曲・編曲するセルフプロデュースの波がきていたので、こういうことなら1人でやっちゃおうかなと時代の追い風も含めて始めたのがきっかけです。

なるほど。そこから2023年に3人が加入されます。

須賀:先に言っておきますけど、全員がドラフト1位指名。このメンバーが集まっちゃったかと思うくらい理想のメンバーなんです。矢沢とは付き合いが長くて、もう11年目ですかね?

矢沢:そうですね。

須賀:17歳〜18歳くらいのときに外バンというものを探していたんですけど、僕の趣味が合う人がいないし、メンバーも過疎っていて。当時学芸大学のMAPLEHOUSEというライブハウスに出ていたんですけど、そのときは学校の仲間と曲を作って活動をしていたんですけど進学とともにバンドを辞める人が過半数だった。そんな状況の中、メンバーを探したときにヴィジュアル系だったら紹介できるよと言われて、18歳のときにヴィジュアル系の世界に飛び込んだときに出会ったのが、すでに活躍していた矢沢もとはるくん。僕自身、2年くらいでヴィジュアル系からは離れちゃったんですけど、そこから友人としてたまにご飯に行く仲で、いつかバンドを一緒にやりたいなと虎視眈々と見守っていた。

宮城さんとの出会いは舞台ですよね?

須賀:僕の初舞台のとき、主演で座長だったのが宮城くん。歳でいうと彼が一つ下ですけど、役者としては先輩、その大きな背中が眩しくて。印象としてすごくカッコいいなと思いました。高校の頃、軽音部でドラムをやっていて音楽が好きというところもあるし、自分は本当の意味で仲良くなるタイプではないんですけど、彼も似たような部分があると思うけど心を開いてくれて。そこから公私ともに仲良くなったんです。

須賀さんにとっても宮城さんの出会いは大きなものだった。

須賀:そうですね。Am Ampを4人組のバンドにすると構想を練ったとき最初に入ってくれたのが宮城でしたから。彼自身のターニングポイントのタイミングで僕も生涯最後のバンド、人生をかけて頑張ろうと思っていたとき銀座の喫茶店で2人で「こんなギタリストがいたらいいよね」と話をして、しばらく知り合いに聞いたり、実際にライブハウスに観に行ったりしてスカウトしてみようかというときに運命かなと思うくらい秒で出会えたのがJOHNです。

すぐ出会えたんですね。

須賀:速攻で絡みに行って、電話で口説こうと思って。彼は体調不良だったんですけど……。

JOHN:インフルエンザでしたね(笑)。

須賀:でも、今しかないと思ったんです。僕の芸能人生といったらそこまでなんですけど、自分の人生の分岐点で出会えたかけがえのないメンバーですね。深く話していくと本当にキリがないくらい! 矢沢に関しては6年前くらいに7回断られていますし(笑)。でも人生って面白くて、矢沢に断られて「もうバンドが出来ない」と思って受けた舞台のオーディションが宮城と共演する舞台だったりもして。だから遠回りのようで近道だったのかなと今振り返ると思います。

誘いを断っていた矢沢さんはなぜ須賀さんとご一緒することに?

矢沢:当時は全力でやっているバンドがありましたし、そのバンドのことしか考えられなかったというのが結論ですね。ただ、そのバンドが解散して直後にコロナがやってきた。エンタメどうこうという情勢でもなくなって、世界中の人々が籠って凌ぐ時期。そんな時期が明けるくらいのとき須賀がソロプロジェクトとして「miteyo」という曲をリリースして、なんで隣に僕がいないのかと思ったんです。絶対に隣に僕がいた方がいい。もちろんソロでも素敵だけど、絶対にバンドでダウナー雰囲気で演奏したらいいなと自分の監修の目があることに気付いたりもして。彼から電話が来たとき、「そろそろ来ると思っていました」と2秒で返事をしましたね。

まさに運命ですね。

矢沢:コロナというタイミングを経て、再び邂逅できたので。これは必然なのかなと思います。

常に裏切る姿勢

この4人が集まったのは運命であり必然だったんですね。Am Ampの特徴はそれぞれにすでにさまざまなキャリアがあることだと思います。個々の魅せ方も理解している中で、Am Ampとして魅せたい世界観はどのようなものになるのでしょうか。

須賀:世界観だけで言うと一貫はしていなくて。絶対に予期せぬことというか、本作『ミス』では初めてJOHNがこのバンドにおいて作曲をしてくれて。これはある種の裏切りなんですね。裏切りという言葉にいい意味と悪い意味あると思うんですけど、観てくれている人、聴き続けてくれている人の期待を一生上回り続ける、裏切り続けるというのが一つの世界観なのかなと。こういうバンドを始めたら、こうなるというパブリックのイメージってあるじゃないですか。そういうイメージを裏切っていきたいというのがこのバンドのテーマであり世界観だと思っています。

固定概念を覆す。

須賀:そうです!それでいうと結成秘話やこのメンツは裏切っていると思う(笑)。この1年間の動きを考えても、試行錯誤もありつつMVなどでもリスナーの皆さんを驚かし続けて来れたかなと思うし、驚かし続けたいなと思っていますね。

『ミス』/ Am Amp [MUSIC VIDEO]

本作リード曲「ミス」についてもお聞きします。本作はどのように制作を進めていきましたか?

須賀:これは完全にメロディから作りましたね。歌メロの鼻歌レベルの基盤があって、それをコードに落とし込んで、その渦中で細かい譜割や音階を定めて行って、その後にアレンジの部分を詰めていきましたね。途中からBPMが変更したり、アレンジの抜き差しがあったり。サビのメロディからの制作になりましたね。

普段はどういう制作方法なんですか?

須賀:それでいうと真逆なんですよ。鼻歌レベルということは変わらないんですけど、アコギかピアノで基礎を作ってとりあえずのリズムパターンを乗せて、まずワンコーラス作る。そこから構成を練ってフルコーラス、音色を乗せて、メンバー投げてアレンジをしてもらう形をとっていたんですけど、今回は鼻歌先行。だいたいコードが先に来るんですけどね。

どうしてその作り方に変化したと思いますか?

須賀:うーん、この1年でおかげさまでみんな協力もありつつ1年で曲数を増やせたなという自負はあるんですよ。これまでも提供という形で制作を続けてきた身分ではあるんですが、悪い意味で丁寧に作りすぎていたなと思ったんです。もっとインスピレーションで呼吸をするように制作をすることが大事だなと。部屋に籠って3日間ということではなく降ってきたものをすぐにアウトプットする。1時間の間でパッと作るというレスポンスの速さということをコンポーザーとして学べたのかなと。キーも音階も不確かなところではあるけど、鼻歌からここまで作るというのは1年間を通して見ても初めての経験だったかなと思います。

ラフを描いて、自由に制作する。

須賀:ラフもラフですね。風呂場の鼻歌レベルからですね。

御三方は「ミス」が上がってきてどんな印象を受けましたか?

JOHN:加入して最初に出した「罪綴り」という楽曲に原点回帰したプラス。レベルアップして昇華させたというコンセプトがあるのかなと思いつつ、それ付随するあと3曲。「うらぎり」は自分が作曲したんですけど、他の2曲も今までになかった感じかつライブ映えするというか。「ミス」だけなら「うらぎり」が浮いてしまうと思ったんですけど、間の2曲があることでいい意味で全体を通してライブを想像できる4曲になったのかなと思います。「うらぎり」に関しては好き勝手、自分のエゴを出すつもりで作りましたけど、それがいい意味でハマってよかったなと思います。

矢沢:須賀さんの口からも出たんですけど、いい意味で裏切っていくというところで、今回はこうやって裏切っていくのかというワクワクがありました。JOHNが言ってくれた通り、「罪綴り」というバンド形態になって初めて出した曲に通づるものもあるけど、1年経た自分たちっぽいなと思う。前作「チャイラッテ」も裏切りという意味では裏切りだったと思うんですけど、あそこからどうなっていくのかと思ったら1年前のダーティーな雰囲気かつ昇華したものが生まれた。須賀さんはAm Ampのフロントマンであり脚本家でもあって、面白い台本がまたやってきたなと思いました。

宮城:僕もまさに一つの演劇を観ているようだなと感じました。Am Ampの楽曲でいちばん演劇かなと錯覚する完成度。ギターもドラムも歌詞も、イントロからアウトロまで一つの物語を観ているようだなと思ったし、僕自身もそういった作品が大好き。すごく感情的な楽曲だなと思います。

「Catch me if you can?」からよりライブ感を大事にされているというか。生音にこだわったのかなとも思うんですが、いかがでしょうか?

須賀:おっしゃる通りです! 今後のライブ活動に力を持つ楽曲になってくれという気持ちも込めてパッケージしました。

楽器の鳴りがいつも以上に感情的だなと思いました。

宮城:生々しさがありますよね!

本作にはJOHNさんの作曲の「うらぎり」も収録されます。先ほど自分のエゴをというお話もありましたが、制作はいかがでしたか?

JOHN:自分的には4曲全てライブに強い曲にしていくぞという最初のコンセプトを知らない状態で書き始めたんですけど、偶然にもライブを考えながら構想を練って。絶対にドラムから始めるという思いがありました。シンプルに早めに歌が入ってくる曲が好きということもありますけど、すぐにギター、歌、そしてAメロというコンセプトは最初からありましたね。それが形になってライブの盛り上がりどころに持っていけるような、いろんな色をライブで見せられるような楽曲になったかなと。

シンガロングも出来る楽曲ですよね。

JOHN:そうなんです!絶対にそこも入れたかった。メンバー全員で歌ってそこにお客さんがついてくる。主メロに被さって裏でコーラスが入っていたり。個人的な好みではあるんですけど、イメージしていたものが完成しましたね。制作をしていて楽しかったです。

バントとして初めての共作になるわけですが、須賀さんはどのように歌詞を?

須賀:改めてバンドを見直すではありませんが、メンバーやお客さんに対する思いというところでいちばん最初の曲で「トロイメライ」という曲を作ったんですけど、そのアンサーソングというか、それに近いバンドの核となる部分のメッセージをめちゃくちゃ意識して書きました。

JOHN:「トロイメライ」という曲を自分なりに昇華したいという思いもあったので、メンバーへの、お客さんへのラブソングではないですけど、そういう歌詞を書いてくださいって投げたんです。そしたら自分が想像していたものを裏切る形で返ってきたので。

須賀:文通みたいなやり取りがありましたね(笑)。

常に裏切る気持ちが共通認識であるのが素晴らしいですね。

須賀:そうですね。最近書いた歌詞でとてもポジティブに書きましたね。楽曲の雰囲気によって移ろうバンドですけど、この曲に関してはサウンド面においても4ピースを活かしたものとなると「トロイメライ」と「うらぎり」くらいだと思うんです。なおさら歌詞もストレートに書こうと意識して制作しました。

アニバーサリーな1枚に仕上がった『ミス』

ライブが楽しみになる1枚に仕上がりましたね。ここで恒例の質問をさせてください。媒体名である、Lotusは直訳すると花の蓮という意味になります。本作を花や植物に例えるならどんなイメージになりますか?

矢沢:バラですね。しかも散りかけの。棘は生きているけど、散りかけているバラですね。じゃあ、次、JOHN!

JOHN:花の知識がないんですよね……。

宮城:じゃあ、僕はスノーフレークですね。白い彼岸花なんですけど、華やかな見た目にしていきたい気持ちもありましたし、「ミス」のMVも華やかな見た目とは裏腹にちょっと毒々しいという意味を込めて、白い彼岸花ことスノーフレークですね。

JOHN:ひまわりしか出てきてないんです……。

須賀:いいじゃん、ひまわり。では、私は胡蝶蘭でお願いします。

JOHN:確かに高級感がありますね。

須賀:アニバーサリーディスクという位置付けもあると思うので、胡蝶蘭はぴったりかなと思いますね。

ありがとうございます。『ミス』を引っ提げたツアーも控えていますが、どんなツアーになりそうでしょうか。

須賀:収録曲を全てやるかどうかはまだ分かりませんが、この1年間でライブに映える曲を増やせた自負はあるので、とにかくより激しいライブを全国各地で暴れ回りたいなと思います。1年間楽しいことばかりではなく悔しい思いもしたし、Am Ampとして1歳、今も戦っている最中ですけど、ようやくライブの楽しさを見出すというか4人で楽しむことに関しても芽が出てきたと思うので、そこも踏まえてお客さんと一緒によりライブ感やグルーヴ感を大事にしていきたいなと思います。

楽しみですね! 最後に須賀さん、今後の目標・展望を教えていただけますか?

須賀:ずっと言ってますけど、目標を決めてしまうと燃え尽き症候群になってしまうのである種目標は持たずいつまでも頑張っていきたいなと思っています。これは個人的な話になりますけど、お米を7年間食べてないんですよ。それはダイエットではなく精神論的な部分で芸能、エンタメ、音楽という荒波で戦っていくにはそれくらいの覚悟がないと成功しないと思っているので。じゃあ、成功とは何なのかと考えたとき、バンドをやるからには武道館に立ちたい。武道館で米俵を割ってアンコールで米を食べる。それが一旦の目標ですかね(笑)。

TEXT 笹谷淳介

PHOTO Kei Sakuhara

リリース情報

「ミス」
2024年12月3日(火)発売中
rock field
[CD] 税込1200円 / QARF-65004

収録曲
・ミス
・Karma’s Grip
・貴方の屍になりたい
・うらぎり

アーティスト情報

Am Amp(アムアンプ)

舞台俳優にヴィジュアル系バンド、インフルエンサーなど異色の経歴を持つメンバーで構成された4人組ロックバンド。数々のアーティストの楽曲を手がけてきた須賀京介(Vo, G)が“都内・一人組バンド”と銘打って活動を始め、2023年6月に宮城紘大(Dr)、矢沢もとはる(B)、JOHN(G)が加わり現在の4人体制となった。2024年12月に初のCDシングル「ミス」をリリースした。

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