インストゥルメンタル・ロックバンドMIRROR、アルバム「VOICES」発売。変わらぬ音楽への探求心
MIRRORが“唯一無二”である理由
体育会系インストゥルメンタル・ロック・バンド、MIRRORがセカンドアルバム『VOICES』をリリースした。
MIRRORはT.Kimoto(Gt.)、K.Mori(Gt.)、T.Isogai(Ba.)、D.Fukuyama(Dr.)からなる4人組バンドだ。2007年にリリースした1st Album『On,Then,In』のクオリティー、エモーショナルなライブパフォーマンスで、音楽シーンで独自の存在感を発揮。17年ぶりのオリジナルアルバムとなる『VOICES』は、彼らの音楽に対するアグレッシヴさとスキルが共鳴するハイクオリティーの楽曲群が並ぶ快作だ。
ロック、ポストパンク、オルタネィティヴなど、幾多のジャンルを咀嚼しオリジナリティーに昇華した輝きは、ひとことで言うなら唯一無二。約17年の間、彼らのフォロワー的存在のようなバンドが出てこないところが、前述した“無二のサウンド”の証拠と言えるだろう。
17年ぶりのセカンドアルバム「VOICES」の魅力
『VOICES』には“ゲーム『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上』のCMテーマ曲”となった「BOTE」を含む全10曲が収録されている。ソリッドなギターフレーズで幕を上げる「BOTE」、それぞれの楽器のアンサンブルがダイナミックに聴き手の空間を広げていく「Fight For Fools」、オーセンティックなギターがまるで歌メロのようなしなやかな起伏を描く「Rail to Rail」、少し洒脱なギターフレーズをループさせポストロックを彷彿させた、スキルフルでダイナミックなバンドアンサンブルに展開する「Terminal」は、まるで80年代後半~2000年初期までのロックのルーツの旅をしているようで、そのストーリー性にゾクゾクとワクワクが一緒に訪れる。MIRRORの魅力は、予想できない楽曲展開と、サウンドのストーリー性にある。
これは、匠技の4人のスキルがあるからこそ成り立つ魅力だと思うが、そこに、決して小難しさを感じさせないところに、彼らの音楽に対する解釈、そして情熱を感じる。
実験的なアプローチを次々と繰り広げながら、楽器の音色、そしてフレーズひとつひとつが、じつにキャッチ―で研磨されたような輝きを放っている。
東京発・老舗インストゥルメンタルバンドと称されながら、そのサウンドはフレッシュで、聴いていて爽快感を覚える瞬間が次々と訪れる。そして1度捉えたら離さない、高揚するスリリングさがこのバンドの最大の武器だ。
MIRRORの真骨頂はライブ
また『VOICES』は、デジタル配信、CD盤、LP盤が、9月11日に同時にリリースされている。CD版は7インチジャケットサイズ特別仕様。さらに、セルフライナーノーツ、録音手記、全曲解説、機材紹介、各曲チューニング紹介など数10ページに及ぶブックレットが付属している。
「言葉で説明できない(笑)。だからライブを観てくれたら」とベースのT.Isogaiが言うとおり、彼らの真骨頂はライブにある。
既に、既に決定済みの東京での2公演以降も、『VOICES』のリリースに合わせて、ライブを行う予定があるそうだ。大人が音楽を謳歌している様をMIRRORのライブで体験してほしい。今後の情報については公式Xにて随時アップされるので要チェックだ。
TEXT 伊藤亜希
ライブ情報
2024年11月16日(土)
東京 下北沢ERA
2024年12月21日(土)
東京 下北沢ERA(DAY TIME)
アーティスト情報
MIRROR公式 X/@MIRROR_JP_2007