インタビュー

【インタビュー】大原櫻子「自分の根本を振り返りつつ将来に対して気合が入った」

【インタビュー】大原櫻子「自分の根本を振り返りつつ将来に対して気合が入った」

今だからこそ歌えたCRUDE PLAYの曲

『明日も』では<10年後の未来のことなんてわかんないよ>と歌っていましたけれど、10年前の自分に対して、今、どんなことを感じますか?

大原櫻子:変わらないですね。ずっと落ち着いている気がします。物事の考え方もなるようにしかならないとか、 ちょっとポジティブな自分というのも変わらないですし。同級生に会っても「見た目も性格も、1番変わらないね」と言われます。

ただ物事の見方は変わったと思います。歌にしてもお芝居にしても、今なら「好きだから見に行く」だけではなくて、「勉強のため」という目的がありますし。

今のご自身のモチベーションの源は何でしょうか?

大原櫻子:やはりコロナなどを経験して、歌が歌えるとか生でライブができるというのは、当たり前じゃないんだということをすごく実感しました。生きている中で、人と繋がれないことが起こるなんて思っていなかったんですよね。だからすべてに対して感謝ですし、シンプルにお客さんの笑顔を見ると頑張れます。

今回は『カノジョは嘘を愛しすぎてる』から物語に登場するバンドCRUDE PLAYが歌った『サヨナラの準備は、もうできていた』をカバーされていますが、いかがでしたか?

大原櫻子:やはり10年前の私には歌えない曲だなと思っています。当時26歳の三浦翔平さんが歌われていて。あの時は私からすると、すごく大人な人が歌っているという印象で。 改めて歌ってもやっぱり大人な歌だと思うし、10年後の今だからカバーできるな、と思いました。 アレンジも変わって、とても今らしい歌ができたんです。でも当時、映画の予告でこの曲が使われていたので、今回のレコーディングではその映画のワンシーンがはっきり思い返されるんですよ。「曲の力って時間を戻すんだな」と思って、 すごいエネルギーだと感動しましたね。

この映画にはどんな思い出がありますか?

大原櫻子:『カノジョは嘘を愛しすぎてる』は初めての撮影でしたし、共演者の方々に支えられました。原作のある作品だったのですが、本当に現実に飛び出してきたという驚きと、小泉徳宏監督がすごく人間味あふれる部分を撮ってくださっていて。非常にリアリティがあって、音楽もさることながら、大人っぽい漫画原作の映画だと思いました。何よりヒューマンを描いている作品、というのが非常にうれしかったです。

この歌詞は男性ならではの歌だと思うのですが、楽曲の解釈は10年前と変わりましたか?

大原櫻子:当時は解釈というよりメロディで聞いていて、「CRUDE PLAYかっこいい!」みたいな感じで。一般のお客さんとしていいメロディだな、ちょっと切ないなと思っていました。でも改めて聴くと、本当に大人な楽曲だったんだなと感じます。こういった大人な男性目線で歌うことはあまりなかったので、新しいなという感覚もありましたね。

大人の男性の目線で歌うことで、どんな発見がありましたか?

大原櫻子:感覚的な話なので、言葉にするのが本当に難しいですね。1つ言うと、男性ならではの色っぽさというのが、声にあるんだと分かりました。息づかいだったりは、ちょっと意識して。本当に針の穴に糸を通すような感覚でした。

今回『愛のせい』(配信限定7thシングル2022年10月リリース)などだいぶ大人っぽい曲も入っているのですが、この曲は女性の息づかいを大事に歌っている曲でもあります。

『愛のせい』は女性の恋愛における心情が描かれていて、男性目線の『サヨナラの準備は、もうできていた』の対極にあるような曲ですね。

大原櫻子:そうですね。だから『サヨナラの準備は、もうできていた』を歌ってみて、ずっと聴いてきた曲なんですけれども、すごく新鮮でした。私の中では三浦翔平さんが歌っている姿が 植え付けられているので、イメージとしてそこはすごく参考になりましたね。今だから歌ってよかったなと思います。

高カロリーなライブになりそうです

私たちの媒体は『Lotus』という名前で、日本語では蓮の花という意味なんですけど、それにかけまして、今回のアルバムを花や植物に例えるとしたら?

大原櫻子:いろいろな色が入っていて、花束なイメージですね。実は今回のライブのグッズでペンライトがあるんですけれど、その華やかな感じが具体化されているんですよ。女の子の頭の上に花束がのっているデザインなんです。アルバムの楽曲を聴いても見ても、すごく色とりどりだなと思っていて。

あと今お話を伺っていて思ったんですけれど、私は蓮の花も大好きです。蓮の花って、きれいなところには咲かないじゃないですか。お仕事をしていると、どうしてもきれいなことばかりではなくて。でもそこで美しい花をいかに咲かせられるかは、自分のモットーというか。そういう存在でいたいな、という思いもあります。

だから蓮の花を見に行くと、いつもワーッと心が動くんです。花束みたいな感じでいろいろな花が咲き誇っているのは美しいし、 感動もする。だけど蓮の花を見ていると「かっこいいな、あなた」と思います。

ありがとうございます。今、ライブのお話もありましたけれども、 9月には広島からスタートするツアーが控えています。どんなライブにしたいと考えていますか?

大原櫻子:アルバムも出させていただくということで、 デビュー当時から歌ってきている曲、たとえば「久々にこの曲聴く」というものもやりたいですし、『ハイッ! 10 ション!』というツアータイトルなので、みんなが無になって拳を上げられるような楽曲も多いんじゃないかな。とにかく高カロリーなライブになりそうです。

初日は広島なんですけれど、今やっているミュージカル『この世界の片隅に』の最終公演の場所が広島の呉で、またツアーで広島に帰ってくるんです。お芝居が終わって、次はライブ。そうやって広島の皆さんに会えるのは嬉しいですね。

このアルバムは大原さんにとってどんな一枚になったでしょうか?

大原櫻子:10年間歩いてきた道を振り返ることもなかったので、ここまで音源を聴いたり、映像を見返すことがなかったんです。亀田さんとのタッグもそうですけれど、初心に帰るような気持ちがあって。自分の根本を見返すきっかけにもなったと思いますし。それこそ10年と言っていますけれど、11年、12年とその先もどんどん積み重ねていかなきゃ、という新たな気合も入りました。

ファンの方には、今どんなことを一番に伝えたいですか?

大原櫻子:楽曲『Anniversary』の歌に全部入っているんですけれど、本当にファンの方の言葉やお手紙、 映像などすべて見ています。だから「全部受け取っているよ」ということと、シンプルに「いつもありがとう」ということをお伝えしたいですね。

TEXT  キャベトンコ

PHOTO Kei Sakuhara

リリース情報

2024年8月21日発売
大原櫻子
オールタイムシングルベスト 2014-2024 「Anniversary」
※音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて同時配信
※対応ストリーミングサービス:Apple Music、YouTube Music、Amazon Music、LINE MUSIC、Spotify、AWA、Rakuten Music、KKBOX、うたパスオンデマンド、TOWER RECORD MUSIC、Deezer、dヒッツ、うたパス、SMART USEN

<CD概要>
初回限定盤A(2CD+BOOK):VIZL-2342 / 4988002940561 / ¥6,600(税込)
初回限定盤B(2CD+Blu-ray):VIZL-2343 / 4988002940578 / ¥8,800(税込)
初回限定盤C (2CD+2DVD):VIZL-2344 / 4988002940585 / ¥8,800(税込)
通常盤(2CD):VICL-65986~65987 / 4988002940592 / ¥4,400(税込)

<CD収録曲(全34曲収録)>
Disc 1
1.明日も(MUSH&Co.)
2.ちっぽけな愛のうた(小枝理子&小笠原秋)
3.頑張ったっていいんじゃない(大原櫻子(from MUSH&Co.))
4.サンキュー。(1stシングル)
5.Happy Days(アルバム「HAPPY」収録)
6.瞳(2ndシングル)
7.真夏の太陽(3rdシングル)
8.キミを忘れないよ(4thシングル)
9.おどるポンポコリン
10.大好き(5thシングル)
11.踊ろう(アルバム「V」収録)
12.ひらり(6thシングル)
13.マイ フェイバリット ジュエル(7thシングル)
14.さよなら(8thシングル)
15.泣きたいくらい(9thシングル)
16.Close to you(配信シングル)
17.さあ冒険だ(配信シングル)

Disc 2
1.ツキアカリ(配信シングル)
2.I am I(10thシングル)
3.Shine On Me(11thシングル)
4.花光る(配信シングル)
5.#やっぱもっと(12thシングル)
6.STARTLINE(アルバム「l」収録)
7.透ケルトン(配信シングル)
8.ポッピンラブ!(13thシングル)
9.Greatest Gift(13thシングル)
10.それだけでいい(14thシングル)
11.Door(配信シングル)
12.愛のせい(配信シングル)
13.初恋(配信シングル)
14.JUMP(配信シングル)
15.寂しいの色(配信シングル)
10th Anniversary Songs
16.サヨナラの準備は、もうできていた(カバー曲)※亀田誠治プロデュースによる新録音
17.Anniversary(新曲)※亀田誠治プロデュースによる新録音

<初回限定盤A(2CD+BOOK)>
これまでの活動の軌跡、数々のアーティスト写真などで構成される歌詞付フォトブック
<初回限定盤B(2CD+Blu-ray)& C (2CD+2DVD)Blu-ray&DVD>
ミュージックビデオに加えて初商品化となる貴重な秘蔵映像を多数収録した約4時間にも及ぶBlu-ray/DVD付きの永久保存版仕様
Blu-ray&DVD収録内容(約4時間収録)(初回限定盤B&C)
最新曲「Anniversary」含む全ミュージックビデオに加えて、未公開のアナザーバージョン、ソロデビュー後初お披露目となったライブの貴重な資料映像、インストアライブ時の映像、CM集など、初商品化となる秘蔵映像を多数収録。約4時間に及ぶ、まさに大原櫻子の10年間の映像クロニクル。

MUSIC VIDEO
明日も(Music Video)
頑張ったっていいんじゃない(Music Video)
サンキュー。(Music Video)
瞳(Music Video)
瞳(Music Video ~Acapella Version~)
無敵のガールフレンド(Music Video)
無敵のガールフレンド(Music Video ~Another Version~) ※初収録 
Happy Days(Music Video) 
Happy Days(Live Music Video) 
Glorious Morning(Music Video)
真夏の太陽(Music Video)
My Way(Live Music Video)
キミを忘れないよ(Music Video)
大好き(Music Video)
トレモロレイン(Music Video)
サイン(Music Video)
Dear My Dream(Music Video)
ひらり(Music Video)
マイ フェイバリット ジュエル(Music Video)
マイ フェイバリット ジュエル(Music Video ~Another Version~) ※初収録 
さよなら(Music Video)
泣きたいくらい(Music Video)
ツキアカリ(Music Video)
遠くまで(Music Video)
青い季節(Music Video)
いとしのギーモ(Music Video)
明日も(Reprise version)(Music Video)
卒業(Reprise version)(Music Video)
ちっぽけな愛のうた(Reprise version)(Music Video)
ひらり(Special Music Video) ※初収録 
キミを忘れないよ(Special Music Video) ※初収録 
I am I(Music Video)
Shine On Me(Music Video)
Shine On Me(Music Video ~Dance Version~ 1chorus only)
Special Lovers(Music Video) 
Amazing!(Music Video)
By Your Side(Music Video)
#やっぱもっと(Music Video)
透ケルトン(Music Video)
STARTLINE(Music Video)
同級生(Music Video)
ポッピンラブ(Music Video)
Greatest Gift(Music Video)
それだけでいい(Music Video)
Fanfare(Music Video)
bitter sweet cinema(Music Video)
Anniversary(Music Video) ※初収録 
SPECIAL LIVE
頑張ったっていいんじゃない(Release Event atららぽーと豊洲 2014.7.7) ※初収録 
サンキュー。(Live at ニコファーレ 2014.11.25) ※初収録 
I am I(Live Digest 2019)
コントラスト(Studio Live at VICTOR STUDIO)
チューリップ -Duo-(Studio Live at Bang On Studio 2021)
JUMP(Live at EX THEATER ROPPONGI 2023.5.11) ※初収録 
BONUS
資料用秘蔵映像(プレミアムお披露目ライブ@渋谷WWW 2014.5.14) ※初収録 
Event Digest ※初収録 
TV SPOT集  ※初収録 

アーティスト情報

1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。
2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」全国ヒロインオーディションで5,000 人の中から抜擢され、スクリーン&CD 同時デビューを果たす。
2014年、女優として『日本映画批評家大賞 “新人賞”』、歌手として『第56 回輝く!日本レコード大賞” 新人賞”』を受賞。
2015年には第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌「瞳」で『第66回NHK紅白歌合戦』に出演。 
以降、歌手活動と並行して、数々のテレビドラマや舞台へ出演中。
2023年 第30回読売演劇大賞 杉村春子賞、受賞

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