【ライブレポート】Seasonsが、「SEASON2【LIFE and DEATH 僕は昨日の僕を殺した】」で提示したのが、生きること!!!!
Seasonsの第二章の物語を告げる「SEASON2」がスタート。最初の動きになったのが、6月30日(日)に渋谷REXで行われた二部公演「SEASON2【LIFE and DEATH 僕は昨日の僕を殺した】」になる。ここでは、Sold Outを記録した第一部公演の模様をお伝えしたい。
僕は僕の手で僕を殺した!
スリリングな楽曲に乗せて舞台背景に設置した大きなスクリーンに映し出されたのは、この日の始まりを告げる映像。一人一人の姿が映し出されるたびに、フロア中から熱い声が飛び交いだす。そして流れたメンバーらのセリフ。
「今日のお前は完璧か?」(はるる)
「明日のお前はどうだ?「(はく)
「死にたいのは誰だ?」(なぎ)
「殺したい奴は誰なんだ?」(りん)
「なぁ…」(はるる)
「お前が…」(はく)
「殺したい奴は…」(りん)
「誰なんだ?」(なぎ)
舞台へ姿を現した4人は、ダークな楽曲の上でクールに。でも、影を背負った歌声で『マフィア』を歌いだす。とてもスリリングな始まりだ。彼らの一挙手一投足から目が離せない。舞台の上で一体化した動きを見せながらも、言葉を突き刺すように歌う一人一人の姿が強烈に瞼へ焼きついた。その姿は、闇(病み)の中からの叫び??彼らの伝える思いがとても気になる。
切々とした旋律が流れだす。4人は『病名は愛だった』でも、感情の奥底に抱いた思いを零すように、今にも途絶えそうな声も交え、切々と歌いかける。楽曲が躍動するのに合わせ、4人の歌声がより感情的な様を見せだした。舞台の上で彷徨う一人一人の姿の意味を知りたい。
フロアを埋めつくした人たちも、4人の歌う言葉に耳を傾け、物語を演じるようにパフォーマンスしてゆく姿へジッと見入っていた。「これが愛 愛だった」と悲痛な思いと声を枯らして歌う姿が、気持ちを揺さぶる。だから、その真意をもっともっと知りたくなる。
ふたたび、映像を投影。その中で彼らは、以下のような言葉を述べだした。
「絶望したって、また明日はやってくる…」(はるる)
「明るい日差しが、カーテン越しに入ってくる部屋で 僕はただ泣いていた」(はく)
「絶望を抱きしめて僕はただ、息をしてるだけだった…」(なぎ)
「結局、僕はあの時 死んだんだ….僕は僕の手で僕を殺した!」(りん)
ドクッドクッと鳴り響く心臓の音。「僕は僕の手で僕を殺した!」の言葉を音楽で示すように、Seasonsはゴシック&クールな曲調の『You killed it!』に乗せ、絶望の淵へと立ち、強烈なビートに乗せて痛んだ心模様を次々と吐き出した。
背景には映像も投影。序盤で彼らが見せた姿は、明るく爽やかな姿とは対極を成す、闇/病みを抱えた痛い心模様。その痛みにみずからの研いだ爪を突き刺し、心の痛みをさらけだしながらも、何かをつかもうとする4人の思いが見えてきた。
MCでは、「生きてんなぁと思う瞬間」について一人一人が語りだす。はるるは、「起きた瞬間」と。なぎは「メチャメチャ疲れた後に美味しいご飯を食べた瞬間」と。りんは「みんなと一緒に過ごしていると、生きているなと感じます」と。はくは「ライブをしているとき」と語っていた。先までの暗鬱な雰囲気とは裏腹に、MCで4人は、何時ものように明るい笑顔と元気な声で語りかける。クローバー(観客)たちも、その嬉しいギャップに最初から魅了されていた。
生きて生きて生きて生きて生きろ
次に歌った『命に嫌われてる』は、「生きるって何だろう」と思い悩んだときに出逢った楽曲。この日の彼らは、ときには自分自身のネガティブな感情にもしっかりと向き合いながら、一つ一つの楽曲を通して前向きに生きる意味をみずからへ。
そして、ここに集まった仲間たちへ向けて問い(歌い)かけていた。『命に嫌われてる』でも、一人一人が自身の胸の内へ問いかけるように言葉を突きさしてゆく。「僕らは命に嫌われている」。そのタイトルや言葉に込めた真意を、誰もが彼らの吐き出すように歌う言葉の中からつかもうと、耳と心を傾けていた。後半には、胸の内を吐き出すように絶唱。「生きて生きて生きて生きて生きろ」の言葉が強烈に心を揺さぶる。「君が生きていたらそれでいい」。その言葉が、強く強く胸に響いてきた。
ダークでアグレッシブな曲調から少し色を変えるように、Seasonsは哀愁を抱いた音色を持った『君がいる世界』に乗せ、この曲でももどかしさや、悩み葛藤する思いを切々と零すように。でも、その痛みを振りきって未来を向こうよと、愛しい君へ向けて歌っていた。
背景にはリリック映像も投影。歌詞を追いかけながらも、舞台の上の、思いを一つに歌い躍る4人の一体化した姿も見つめていたい。彼らが歌う”君”という存在は、ここいるクローバーたちのこと??そう思わせる言葉へ触れるたび、4人の心の痛みを抱きしめたくて、心の両手を舞台に向けて伸ばしていた。
胸の内を吐露するようにメンバーたちが歌いだしたのが、『心做し』。彼らは、一度殺した自分の感情へ、ふたたび”前向きに生きる命”を与えようとしていた。そうするためには、一度、痛んだみずからの感情としっかり向き合わねばならない。だから、ここまでの楽曲を通して、4人は自問自答しながら同時に、仲間たちへ救いの声を呼びかけ、みずからの生きる意味を必死に肯定しようとしていたのかも知れない。一人一人が、今にも壊れそうな感情で叫ぶように歌っていた。その様からも、ずっと視線を離したくなかった。
映し出された映像には、てるてる坊主になったりん・はるる・なぎの姿が。その後、空から降臨するようにはくが登場。てるてる坊主姿で、「僕は、昨日の僕を殺した」をテーマに生き方を立派に語る彼らだが、高音ぎみの声でコミカルにしゃべる4人の姿に、場内中から笑い声が起きていた。一度は音楽という夢に殺されながらも、ふたたび音楽を通して生きる術を見いだした4人。そして‥。
ふたたび舞台に姿を現したメンバーらは、攻めた表情を魅力にした『NEO』に乗せて、光を求めるように凛々しい歌声とパワフルな姿を通して観客たちの心を奮い立てる。曲が進むにつれ、彼らが吐き出す一つ一つの言葉に希望や夢、力が漲りだす。その声を受け止めた観客たちの瞳にも輝きが生まれる。さぁ、ここから新たな自分に生まれ変わって思いきりはしゃごうか。
「全員で声出していこうか」の煽り声を合図に、Seasonsは『BEAT』をブースト。強烈のビートを魅力にしたダンスロックナンバーの上で、4人はときにニヒルな笑顔を見せながらクローバーたちを挑発。フロアにいる人たちも、4人の歌に巧みに声をかけあい、この場に”熱狂”という言葉が似合う景色を少しずつ作りだす。先までのSeasonsが、自分たちからクローバーたちへ思いを投げかけていたとするなら、このブロックからは、一緒に生きることに意味を考えながら、共に感情のチューニングを合わせ盛り上がろうという空気を作り出していた。
MCでは、観客たちへいろんな質問を投げかけ、トークでも一緒に思いを分かち合う様を見せていた。隣のお兄さんのようなフレンドリーさが、クローバーという仲間たちを次々と増やしている要因だ。後半からは、コミカルな展開へ。お笑い要素を持ったその姿も、やはりSeasonsの魅力として欠かせない。
自分の人生を生きてほしいという思いを込めて
ライブも後半へ。『Salvage』が飛びだしたとたん、場内中から熱い声が飛び交いだす。4人はスリリングさとエネルギッシュでパワフルな様をミックスした雄々しい姿を提示。オラオラと煽るその姿に刺激を受けたクローバーたちも、熱情した声を張り上げ、この場を熱く盛り立てる。終始、攻めた姿勢で次々と言葉の弾丸を撃ち続けるメンバーたち。その姿に魂が熱く燃え立つ。
ジャジーでスリリングな、跳ねた演奏が飛びだした。Seasonsはクールな様と大人の色気もさりげなく織り交ぜ、『Bellrings』を歌いながら「一緒に踊ろうか」と誘いかけてきた。甘えた優しい表情も魅力だが、触れた瞬間にドキッとハートを鳴らす、艶めいた大人の香りを漂わせて迫る姿も、見ている側の心を魅了する。終盤へ向かうにつれ熱情する様も、とても刺激的だ。
MCでは,「聖徳太子」と題したゲームを実施。これは、フロアを3つのブロックに分け、出された言葉を、メンバーの合図に合わせて観客たちが一斉に叫ぶ。その3つの答えを、メンバーが言い当てる内容。はるるの出したお題が「りんご」「いちご」「マンゴー」。早速ゲームを実施。なぎが「いちご」と正解を回答。だが、その後は、3人とも「いくら丼」「いなご」「いもと」「いいちこ」など迷・珍回答が続きだす。その後、はくが「りんご」と。 りんが「マンゴー」と正解を導き出し、それぞれが平等にポイントを獲得した。
「落ち込んだときにみんなへ寄り添う曲として、自分の人生を生きてほしいという思いを込めて」作りあげたのが、この日が初披露となる新曲の『Live my Life』。歌詞に込めた思いのひと言ひと言が、強い励ましの言葉として胸に突き刺さる。彼ら自身が自分に言い聞かせながら、同時にクローバーたちにも前向きな思いを持ったメッセージとしても伝えていた。なりたい自分になって明日を生きていく。
彼らが伝えたその思いは、日々を生きてくうえでの大きな心の指針となる思い。一緒に身体を揺らし、笑顔で楽しみながらも、前向く力や希望を与えてゆく楽曲だ。これからこの曲が、Seasonsのライブの中でどんな風に輝きを増していくのか楽しみだ。
さらにSeasonsは、ライブで熱狂一体化した景色を作りあげる『Blue Days』を歌唱。4人の歌声に合わせてクローバーらも声を掛け合えば、彼らと一緒に温かい思いに包まれながら、笑顔の自分に染めあげていた。胸がドキドキするね。このときめいた気持ち、もっともっと4人と分かち合いたい。彼らは「君と出逢って毎日が変わった」と歌っていた。その言葉、そっくりそのまま4人に投げ返したい。僕らの、私たちの淀んだ毎日に笑顔を与えてくれたのがSeasonsなのだから。
君にこの歌を届けます
最後のMCでは、一人一人が思いを述べていた。そして‥。
「君にこの歌を届けます」(なぎ)の言葉に続き、4人が大切なクローバーたちへ向けて届けたのが、バラードの『Forbidden Love』。彼らは歌詞に込めた君への思いを、歌声の手紙にしてクローバーたちへ届けていた。好きになっちゃいけないのに、でも‥。このもどかしい思いを、胸の奥の苦しい気持ちを、4人は告白変わりにこの曲に乗せ、温かい声で歌いかけてきた。
「俺のものにしたい」の言葉が、深く深く心に染み込む。「好きになっちゃいけない なのに心は君であふれてしまう 張り裂けそうなこの痛み」だからこそ、強く抱きしめたくなる。愛しいのに、この曲に触れながら、なぜか切なさも感じていた。そうか、好きだけど、好きになっちゃいけないから‥なのかもね。
最後にSeasonsは『SHINE』を通して、ふたたびこの会場に熱狂一体化した、眩しい景色を作りだした。跳ねた華やかな楽曲に乗せ、4人が軽やかにステップを踏みながら歌い踊れば、フロアを埋めつくしたクローバーたちも身体を揺らし、ときに声を上げ一緒に幸せという眩しい輝きを全身に浴びていた。そう、この眩しさと楽しさが、Seasonsのライブ。そのうえで今回は,光と闇、両極な表情と生きる意味や希望を4人から教えてもらった。ほんと楽しい中、いろんな思いを巡らせるライブだった。
最後に流れのが、以下のメッセージになる。
「僕たちは今日、僕たちのために。そして、少しでも誰かの笑顔のために。そんな気持ちでステージに立ちました」(はく)
「君がほんの少しでも笑顔になってくれたなら、僕たちは今日、ここに立った意味があったと思います」(なぎ)
「今日まで君を思いながら過ごしました。君に寄り添うために、僕たちは生まれました」(はるる)
「君が僕たちの生きる理由であるように、もしも今日ここで、僕らの鼓動が聞こえたなら、これからも」(りん)
「生きて!!….」(全員 )
TEXT 長澤智典
PHOTO Ryo
セットリスト
1 マフィア
2 病名は愛だった
3 You killed it!
4 命に嫌われてる
5 君がいる世界
6 心做し
7 NEO
8 BEAT
9 Salvage
10 Bellrings
11 Live my life
12 Blue Days
13 Forbidden Love 14 SHINE