ENJINが2ndアルバム「Inception」をリリース。新たなスタートラインに立った8人のマスターピース
ENJINが提示する新たなスタイル。目指すのは、世界だ!
グループ名の表記も変更し、ビジュアルも一新したENJINが新たな舞台へと羽ばたくための名刺代わりとなる新作『Inception』を6月12日にリリースした。
既発曲と新曲を含む全10曲が収録される本作は、タイトル名に冠した“Inception”の名の通り、彼らの新たな物語がスタートすることを予感させる1枚に仕上がっている。正直、彼らの“覚悟”には驚かされた。
つい最近まで「歌×ダンス×芝居」が融合したハイブリッドパフォーマンスユニットと謳っていた彼らが、ダンス&ボーカルグループと決意を新たに世界を相手に戦おうと一歩を踏み出した。ボーイズグループ群雄割拠の時代に新たに足を踏み入れることはとてもチャレンジングであり、勝算があるかどうかも分からない。けれどもENJINの8人は肩を組み結束してその舞台で戦おうとしている。
以前、リーダーのTOYに話を聞いた際、彼は「ど真ん中で勝負して勝てないと世界にはいけない」と答えた。その並々ならぬ決意が全面に出ているのが本作『Inception』に収録された新曲『Killa』、『Major』、『Danger』の3曲だろう。
これまで、彼らが奏でていた音楽は爽やかで可愛らしさもありどこか親近感のあるものだったと思う。それはビジュアルも含めてそう感じていたが、今回の3曲はそのイメージをいい意味でそのイメージを打破し、クールでセクシーな8人の新たな一面を垣間見ることができるはずだ。
〈Yeah, Make way for the new killa in town〉と口火を切る、『Killa』はサウンドも世界仕様。ビートがゴリっと鳴り響き、現行のボーイズグループに引けをとらないサウンドメイクに彼らの八者八様の個性的な声が乗る。
そして、『Major』では、オリエンタルな雰囲気を感じさせつつ、胸を打つビート、サビに向けて広がっていく音像はタイトル通り彼らがメジャーになることを予感させる。
『Danger』では、多様な音が鳴り響き、大人セクシーなリリックも含めてENJINの新たなスタイルを提示し、これからのグループの指針を我々に教えてくれているようにも感じる。
円神からENJINへと脱皮し、彼らが追い求めるスタイルが明確になったんだとこの3曲を聴くことで理解できる。何度も言うようにENJINが目指すのは世界だ。
これから彼らは新たなスキルを習得し、今まで培ったスキルをブラッシュアップしていくことだろう。今後彼らが生み出す楽曲でどんなビートを鳴らすのか、そして持ち前のダンス力と表現力でどう我々を魅了してくれるのか、楽しみで仕方ない。
今回はこれから新たにスタートする彼らに“天晴れ”と賛辞を送り、筆を置こう。ENJINの8人がそう遠くない未来、世界で活躍することを祈って。
TEXT 笹谷淳介