【インタビュー】変幻自在な新バンド・リールー、飾らない5人の「演者」とは
2023年9月にハマサキトモヤ(ex.welved velved)、masato(ex.SuG)、rockマン、村井学(フラウタ.、LiberaMe)、TOSHI村中(THE CHERRY COKE$)の5人で結成した5人組ロックバンドのリールーが4月20日(土)に、新曲『演者』と『暁』をリリースする。その新曲リリースを記念して、4月26日(金)に池袋RED-Zone ANERISにて、『 “ 演者“ ” 暁 ”レコ発企画「 変 幻 」』を開催。今回Lotusでは、新曲の『演者』と『暁』や、レコ初ライブに関して、そしてリールーというバンドは一体どんな人物なのか、たっぷり掘り下げる。
リールーが最近夢中になっていること!
初回登場ということもあり、まずはリールーさんがどんな方たちなのかを掘り下げたく、メンバーの皆さんの自己紹介と最近夢中になっていることを教えてください。
rockマン:僕は買い物です。
ちなみに買い物はどのようなものを…?
rockマン:音を自分の理想のものにしたくて、機材をずっとネットで見て機材ばっかり買っています。
機材集めなんですね!金額とかも相当かかっているんじゃないでしょうか。
rockマン:3万~4万ぐらいですね。そこまでかけなくても良いんですけど、なぜだか1本高いところに行ってしまうんです。浪費癖というか買うことに快感を覚えてしまっています(笑)
村井さんはいかがですか。
村井学:僕は最近バスボールにハマっています。元々湯舟にあまり入らないタイプだったんですけど、ファンの方からバスボールをプレゼントしてもらったんですね。そこから湯舟に浸かることが増えたっていうことを公開したら、バスボールをもらうことがすごく増えたんです(笑)
バスボールが増えたんですか!
村井学:そうなんです。段ボールにいっぱい入っていて、お風呂に入るときにどれにしようかなって選んで、バスボールから出てきたおもちゃをディスプレイにしていくのにハマっています。
おもちゃが入っているバスボールなんですね!ちなみにおすすめのバスボールはありますか?
村井学:ネコとか、犬とか、ドラえもんとか、ポケモンとか入っているんです。中でもポケモンのバスボールは凄く凝っていますよ。海にいるポケモンを釣り竿で釣るっていう設定なんですけど、バスボールを入れると浮きだけが出てきて、それを付属品の釣り竿で釣って、どのポケモンかがわかるっていうものなんです。全裸でひたすらやって楽しんでいます(笑)
ハマサキトモヤ:僕もrockマンさんと同じで最近までエフェクター集めをやっていました。エフェクター散財祭りですね(笑)
rockマンさんと同じなんですね!本日の恰好も少しrockマンさんと似ていらっしゃいますが…(笑)
全員:(笑)
ハマサキトモヤ:最近ね?
村井学:最近傾向が似てきまして…散財癖もね(笑)
TOSHIさんはいかがですか?
TOSHI村中:僕は本ですね。読書することにハマっています!昔、読書するのが苦手でして、あらすじを見て読書感想文を書くタイプだったんですよね。
本を読むきっかけはあったのでしょうか。
TOSHI村中:YouTuberに雨穴さんって方がいらっしゃるんですけど、その方の小説がすごく読みやすいんですよね。普通の本と違って文字も大きくて、行間も長くて、絵も入っているから漫画のような感覚で面白いんです。集中力が上がりました。あとゲームのSWITCHにもハマっています!
SWITCHにもハマっていらっしゃるんですか!ちなみに何をやられているんですか。
TOSHI村中:昔のゲームを買うのにハマっています!『ファイナルファンタジーVIII』ですね。
masatoさんはいかがですか?
masato:僕は最近、眠ることにハマっています。
ハマサキトモヤ:疲れているんじゃないの?(笑)
masato:いや疲れているというより、2023年以前頑張りすぎていたんですよね。それで眠ることが疎かになっていたので、そろそろ眠ることを大事にしないとなって思い始めまして…。1日3時間ぐらいしか寝れなかったんですけど、7時間とか8時間とかのベストな睡眠時間をやってみたら、すげー快適に眠れました。体を労わることをめちゃくちゃ大事にしていますね。
masatoさんは昔、生配信中に眠ってしまっていたこともありましたよね(笑)
masato:ありました!ありました!あのときはもうボロボロすぎて、お酒とか入っていたのもあって気持ちよくなってしまい、路上で寝たこともありましたし…(笑)
リールーの結成秘話
皆さん魅力的な自己紹介ありがとうございます!それでは、本題にいきたいのですが、リールーさんはどんなきっかけでバンドを始動されたのでしょうか。
村井学:元々のきっかけは全員配信者なんですよね。その中で知り合ったんですけど、トモヤとTOSHIの3人でセッションのライブを定期的にやっていたんですよ。それで、rockマンが加わり、最後にmasatoが入ってバンド名を付けたという流れになります。
皆さんの系統はロックなのでしょうか。
村井学:色々ですね。みんなそれぞれ各々のバンドがあったり、サポート業をしている経験があってバンドが出来上がったので、ジャンルに囚われてないといいますか。この5人が揃うとリールーになるという形です。
ジャンルに囚われていないのですね。ちなみに、バンド名はどなたが作られたのでしょうか。
ハマサキトモヤ:僕ですね。バンド名に由来を付けなくてもいいかなっていう考えではあるんですけど、由来話しますね。『フィフス・エレメント』っていう映画があるんですけど、ヒロイン役にリー・ルーっていう子が出てくるんです。その映画も好きだし、そのヒロインの子も好きで、小学校のときぐらいからいいなーってずっと思っていたんですよ。そこがきっかけになりますね。
masato:飾らなくてさりげない感じの感覚もあると思いますね。メンバーが色々やってきた経験がバラバラなので、一つの大きな意味などは付けずに、集まったこの5人がリールーだよっていう飾らない感じが大きいですね。
ハマサキさんは雰囲気がヴィジュアル系に近い気がしたのですが、元々そのジャンルは通られていたのでしょうか。
ハマサキトモヤ:それが元々通ってないんですよ。むしろこのリールーを組んでから初めてヴィジュアル系と対バンしたぐらいなんで。ハマサキトモヤっていう演者を飾るために、メイクしたりしているだけなんですよね。僕はこうありたいなっていう思いからこうなっています!
『演者』は風俗嬢をモチーフ
4月20日に新曲の『演者』と『暁』の2曲がリリースされます。まず『演者』に関してお伺いさせていただきたいのですが、夜の街に生きる一人の女性がテーマになっているのですね。なぜこのテーマにしようと思ったのか、楽曲ができた経緯を教えてください。
ハマサキトモヤ:これができたのは実は10年前なんですよ。僕、鹿児島出身なんですけど、東京に上京してから、歌詞を書き始めたんですよね。そのときに女性を歌詞にしていこうかなって決めたんです。僕の書く歌詞の主人公って全部が女性なんですよね。そしてこの『演者』は風俗嬢をモチーフにしている曲でして。風俗って女性特有の文化じゃないですか?それを歌詞にしたら面白いかなって思って。僕は男性ですけど、男性目線で風俗嬢のことを書いてみようかなって思ったのがきっかけでしたね。
風俗嬢がテーマになっているのは驚きでした。
ハマサキトモヤ:そうですね。『演者』というテーマでもありますけど、僕らも演者ですし、風俗嬢もある意味演者じゃないかなって思うんですよね。私と違う私を作り出して、男性と行為をするのは、ある種、演者に近いものがあるかなって感じたんですよ。
女性の悲しい心情が出ているので、実体験かと思っていました。
ハマサキトモヤ:全部想像ですね。『暁』もそうですし。『暁』こそ報われない女の曲ですしね。恋人以上友達未満っていう感じですし、男性には考えられない女性特有のこういう気持ちってこうなのかな?っていうのを男性である僕が書くんです。単に女性という生き物が興味深いんですよね。
『演者』では「自分自身を誰かに愛してほしい」という孤独がみられる歌詞の印象がありましたが、<私は誰だい?私は何処だい?>というフレーズが、熟年層の女性が使う言い回しに見えてきました。反対に「暁」は、若年層の女性の姿が見えました。歌詞を描かれるときは、年代などのターゲットも予め決めて描かれるのでしょうか。
ハマサキトモヤ:確かに文だけを見たら熟年層かもしれないですが、歌詞を書くときは割と若めな人をターゲットにしていることが多いです。
そうなんですね。
ハマサキトモヤ:普通に書くと面白くないから言い回しを使って書きますね(笑)でも、どちらかというと、20代後半から上ぐらいかなって思います!
ハマサキさんが綴られる『演者』に関して、どういう印象を持たれていますか。
村井学:リールーはハマサキトモヤの音楽を僕らで表現するっていうのが一つあると思うんですけど、トモヤの歌詞って触れたことのないタイプなんです。トモヤが持ってくる曲は、僕はインプットに近いイメージですね。インプットしてアウトプットするっていうか、僕の一部になるっていう感じ。トモヤの気持ちを理解しないといけないな、同じ気持ちで演奏しなきゃいけないなって今なっていて、まだどう思うに辿り着いていない感覚です!
TOSHI村中:自分のイメージだと、歌詞を伝えたいっていうよりかは、この歌詞の物語をハマサキトモヤが演じているっていう気がします。
ハマサキトモヤ:そうですね、なりきっているかもしれないです。歌詞の主人公に憑依して歌っていますね。
TOSHI村中:だから中性的なメイクをしているのかな?っていうのもありますね。
村井学:僕らはその物語の登場人物になっていて、表現するためにコーラスをしたりしています。
リールーさんは3人ギターがいらっしゃいますが、音が混ざらないのも魅力ですよね。
masato:必死に考えていますね(笑)元々出している音のバランスをよく悩んでいます。
ハマサキトモヤ:最初は渋滞しちゃうことが多かったです。ギターは一人でも成り立つかもしれないけど、それが×3になる訳だから、より難しかったですね。ギターにも色々音色がありまして、カリッとしている音やボーってしている低音とかもあって、どういう音を鳴らすかっていうことを決めていきました。
rockマン:物語を表現できる一つの手法はギターだと思っていて、どういう情景や世界観なのかなっていうのをよく考えています。普通にギターをコードで弾けば完成はするんですけど、それだとリールーの世界観は作れない。なので、3人だからこそ、それぞれ違う音色を出して、その世界観を作っていくことを大事にしています。目の前にいるお客さんたちに音を突き刺せるかをイメージしてサウンドメイキングをしていますね。
村井さんとTOSHIさんのベースラインとドラムビートも耳に残っていて、とても印象的でした。演奏していてとくにこだわった箇所はございますか。
村井学:僕らはリールーをやる前から一緒に仕事をしていたんですよね。加えて飲み仲間なんです(笑)なので、音楽をしている最中にあまり言葉で説明をしあったりしないんですよ。だからあんまりわかんないですね(笑)
TOSHI村中:ドラム作るときに大事にしていることなんですけど、「この俺かっこいいだろ!」っていうよりかは、「ハマサキトモヤの世界観を出すにはこれだろ!」っていう感覚につきますね。プロセスに関しては村井学とバディーなので、そこを詰めていくのは早いですね!
村井学:お互いリールーの曲をこうしていこうっていうアプローチはある中で、相談していくのではなくて、演奏してすり合わせていっていますね。
『暁』は報われない女の曲
『暁』は報われない女の曲とのことですが、こちらも想像からできた作品なのでしょうか。
ハマサキトモヤ:そうですね。 友達以上恋人未満ってよくあることだと思うんですけど、それをどう生々しく書けるかみたいなところにスポットをあてて書いてみました。
音楽好きな女性とか、音楽をやっている女性って、色々経験されている方が多いなっていう印象で。大きな声で言えないけど、「バンドマンと付き合いたい!」みたいなガチ恋もあるじゃないですか?(笑)バンドマンって自由に生きたい生き物だけど、欲もあったりするから、そういう大人の関係になりやすい側でもあるし。ミュージシャンや何かを表現している人との恋愛に近い感じですね。女性から見て憧れで、好きになっちゃったみたいな感覚です。
歌詞も拝見させていただきましたが、女性が共感する言葉が沢山散りばめられていますよね。ハマサキさんはすごく女性の心情を理解されている方だなと思いました(笑)
全員:(笑)
ハマサキトモヤ:想像だけで書いていますね!
1番では<この夜が明けたらあなたは消える>で2番は<この夜が明けたらあなたは居ない>という風に、似ているけど言い回しが変化していきます。これは何か意図があるのでしょうか。
ハマサキトモヤ:歌詞を書いたときのことなんですけど、「この夜が明けたらあなたは消える」は、女性と男性が一夜を共にして寝たあとに、男性はその場所からいなくなってしまう。逆もあるかもしれないけど(笑)2番の「この夜が明けたらあなたは居ない」の方は、女性の家に男性が来てくれていて、その中で起きるタイミングが一緒というシチュエーション。でも夜が明けたら、彼は私の家から出て居なくなるのをすでにわかっている。いきなり消える訳ではなく、あなた(彼)は暁を迎えたら隣から居なくなってしまう。
そういう切ない対比なんですね。
ハマサキトモヤ:1番は急にいなくなってしまう感じで、2番はこの後居なくなってしまうっていうちょっとの違いです。
TOSHI村中:ストーリーが進んでいるってことだよね!
ハマサキトモヤ:そうそう!ある意味ここから抜け出せなくなっている女性の負の表現でもありますね。最後に<この夜が明けたらあなたは居ない>の歌詞が出てくるのも、そこを強く押し出す形です。
『暁』の方が官能的なイメージがありますが、ハマサキさんの歌詞の描写は、その雰囲気さえも文学的に表現されていますね。例えば<体液>というワードも生々しさがあるけれど、より綺麗に表現されているといいますか。
ハマサキトモヤ:<体液>に触れることって本当に近づかないとできないですし。距離は恋人レベルなんだけど、心は遠いっていう矛盾を表現していますね。
masato:<体液>って表現するあたりが、心が近づききれない生々しさが出ていますね。もし結ばれていたら、くっつくとか抱きしめるっていう表現だと思うし。
リールーが選ぶお気に入りのフレーズ
Lotusはクリエイターの言葉を伝えることを主軸に置いています。特にお気に入りの歌詞を『演者』or『暁』の中から皆さん教えていただけますか。
masato:僕は『演者』の<変幻自在に…自由自在に…「私は生きる」>が好きです。このあたりは自分がライブで口ずさみながら弾いていることが多いんです。この歌詞のお話とは違うけど、そういう生き方をしている存在でもあるし、それを一つのフレーズとして考えるときに、自分と合うし刻んでいきているなって思いますね。
TOSHI村中:曲的な意味も含めて『演者』の<私は売り物よ>が良いですね。このフレーズはなかなか言えないと思うし、世界に入り込みやすい歌詞かなと。
ハマサキトモヤ:『暁』の<私しか知らない何処にも誰にも渡したくないよずっと…>ですね。私が所有する男性ではないんだけど、でも私にしか知らない表情もある。『暁』の切ない部分で、音源としても気に入っているフレーズです。
村井学:『暁』のラスサビにある<約束して?離さないで壊れるまで抱きしめて振り向いて?目を見せて 欲張りなのかな?>が好きです。冒頭はめっちゃ、主張している感じなのに、最後は<欲張りなのかな?>って自分に疑問を呈していくところがいいですね。
rockマン:僕も学さんと一緒ですね。楽曲でもそこの部分は想いが溢れていくところで、自分に置き換えて演奏することが多くて。最後のフレーズにある<この夜が明けたらあなたは居ない 隣で私は眠るだけ…暁>も切ないギターのアレンジにはなっているんですが、このフレーズに辿り着くまで全体を通して入り込めるといいますか。好きな部分ですね。
レコ発企画「 変 幻 」に向けて
4月26日(金)に池袋RED-Zone ANERIS にて “ 演者“ ” 暁 ”レコ発企画「 変 幻 」が開催されます。こちらに向けて意気込みをお願いします!
masato:ライブ自体は他の曲も演奏するんですけど、『演者』『暁』に関してはこれまで演奏してきた曲でもあるので、それを一番良い状態にしてお届けしたいなと思います。合わせてバンドの魅力もしっかり見てもらいたいですし、来て損がないライブになると思うので
ぜひ足を運んでいただけたらと思っています。
TOSHI村中:『演者』はこのバンドが始まるきっかけになったときからずっとやっているので、エモい気持ちになりながらもやりたいなとは思っています。レコ発とかのイベントは1回限りなので、良いライブにしたいです。
rockマン:『演者』という曲は元々凄く好きで、僕から一緒にやりたいですって言ったぐらい刺さっていました。『演者』はトモヤくんのバンドであったものをアレンジして、リールーで演奏する、そして『暁』は音源化がされておらず初めて5人でやるので、このライブでは初だしという形です。前の『演者』とはまったく違う感じにはなると思うし、来てくれるお客さんには聴いて感じてもらいたいです。5人の演奏も常にレベルアップしているので、ライブを楽しみにしてほしいですね。
村井学:セッションバンドを始めるときに、オリジナル曲は、元々トモヤがやっていた『演者』っていう曲をやろうっていう話になっていて、リールーになってアレンジがどんどん変わっていきました。それこそ10年前にあった曲だけど、そこからバージョンアップはしていると思います。『暁』に関してはトモヤが弾き語りでやっていたのしか聴いたことなかったんですけど、それをリールーでアレンジをしたことによって、前回よりもリールーとして作りました感が強いかと思います。それをライブに持っていき、一緒にこれからも進んでいきましょうねっていう日にちを作れれば楽しみです。
ハマサキトモヤ:『暁』も『演者』も音源化できるなっていう嬉しい気持ちがまず、あります。『演者』はスタメン曲だから、それぐらいこの曲に救われてきているし、この曲とともに成長できた。「ようやく音にできてその作品を出したぜ!」って胸を張って言える日がくるのが楽しみです。『暁』もしっかり作品になるから、こういう魅せ方も俺らはできるんだよということを、しっかり伝えたいライブにしたいですね。
TEXT Minami.h
PHOTO Kei Sakuhara
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