
【インタビュー】「青春は消えない」――Hi-Fi Un!cornの今が詰まったメジャー2ndシングル「Teenage Blue」の魅力と5人の等身大の思いに迫る

5人組ボーイズバンドHi-Fi Un!cornが8月20日にメジャー2ndシングル『Teenage Blue』をリリース。メジャー2作目となる今作は、現在のHi-Fi Un!cornを象徴する全3曲が内包される。2023年のデビューから、今まで彼らはどんな時間を過ごし、どんな思いで活動を続けてきたのか、そして今作に込めた5人の等身大の思いとは何なのかーーー。5人がそれぞれに語る言の葉からHi-Fi Un!cornのさらなる魅力、そして『Teenage Blue』の魅力に迫る。
青春のような、2年間だった
2023年のデビューから2年の月日が経過しました。デビューから今までを振り返ると皆さんにとってどんな時間になっていますか?

テミン:本当に夢みたいな時間であり、僕たちが成長するための2年間だったと思います。デビューしたての頃は何も知らなくて、実力も足りなかった。なぜこの仕事をするのかということも考えずただひたすら頑張る時間でした。そんな状況の中、2年間みんなで話し合いを重ねながら、「なぜ、音楽をするのか」の答えを見つけたし、実力はまだまだですけど、2年前と比べると成長できたと思います。
2年間でいちばん成長できたと思うことはどんなところですか?
テミン:ボーカルとして歌えるジャンルが増えたと思っています。僕はアメリカのポップソングが大好きなんですけど、2年前はそのジャンルしか歌えなかった。でも、この2年間でいろんなジャンルに挑戦して、バラードもロックも経験し、自分の声がいろんなものに合うことを知れた2年間でもあったのかなと。
武器が増えた2年間だったんですね。シュウトさんは2年を振り返るといかがですか?
シュウト:青春みたいな2年間でした。2年という長いようで短い期間で、10曲以上リリースして、ライブを自分たちの曲だけでお届けできるくらいまで増えた。メンバーと同じ屋根の下で過ごしながら、たくさんの経験をすることが出来た、青春の時間だったと思います。
青春の思い出の中で、印象的な出来事はありますか?
シュウト:やっぱりライブですね。デビューして初めて渋谷 CLUB QUATTROでライブをさせていただいたんですけど、その時、「本当に僕たちのファンっているんだ」って思ったんです(笑)。実際にファンの方を目の前にして、嬉しかったし、ライブの1回1回が僕たちにとっては大切なんですよね。ファンの皆さまがいてくれるからこそ音楽を続けることが出来ていると思うので、ライブは思い出であり大切な瞬間です。
素敵ですね。ヒョンユルさんはいかがですか?
ヒョンユル:初めての経験ばかりで全てが新鮮で楽しい2年間でした。あとは、自分がここまでエレキギターを好きになるなんて、想像もしていなかった。この2年間が楽しかったからこそ、自分の仕事を愛せているんだと思います。
どんどんギターを好きになった期間でもあった。
ヒョンユル:はい! 本当に楽しい。エレキギターはそういう楽器なんだと思います。エフェクターやアンプ、繋げ方で音を自在に楽しめる。本当に面白いです。
確かに、奥が深い楽器ですよね。ギユンさんはいかがですか?
ギユン:あっという間の時間の中でたくさんの変化と挑戦が出来た期間でした。僕は10年以上ベースばかりやっていたので、ベースしか知らなかったんですよ。でも、こうやって日本に来て日本語も喋れるようになり、日本でライブをするようになる。自分でも想像出来なかった光景が目の前に広がっているんですよね。最近では、中国語にも挑戦している。変化と挑戦を繰り返した2年だったと思います。
バンドでベースを弾くのは、ソロで弾くのとは感覚が違いましたか?
ギユン:そうですね。それぞれに楽しみ方があると思いますけど、ソロのときは好きなジャンルややりたい曲をひたすら弾くことが出来たので(笑)。でも、バンドではバンドの曲をこのメンバーと演奏する、この経験は自分にとってすごくいい経験になっていると思います。
ミンさんはいかかがですか?
ミン:たくさんのことを経験した2年だったと思います。先輩たちのオープニングアクトをしたり、日本でのツアー、アジアツアーを経験しながら、最初はこの5人でいることが気まずかったんですけど……(笑)。
シュウト:確かに(笑)。
ミン:でも、今は誰よりもみんなを信頼しているし、家族みたいな存在になっているんです。この2年間で一つになったと思います!
最初は気まずかったんですか?!
テミン:めちゃくちゃ(笑)。
シュウト:練習生を経てのデビューということではなく、オーディション番組で初めて会ってからのデビューだったので、そこまでお互いを知らないままという状況でしたから。
なるほど。ある種、ライバル的な存在でもあったわけですもんね。
シュウト:そうなんですよ!
ミンさんはこの2年で成長したと思う部分はありますか?
ミン:ドラムを叩くとき、最初は演奏だけに集中していたんですけど、最近はパフォーマンスも考えながら叩けるようになりました。そこがいちばん変わったと思います。
それぞれの魅力を集合して一つになる
それぞれが素敵な2年間を過ごされたことが分かりました。2年間で家族のような一体感が生まれたHi-Fi Un!cornは今年メジャーデビューを果たしました。メジャーと聞いて率直にシュウトさんはどう思われましたか?

シュウト:韓国には、メジャーデビューという概念がなく親しみがないんですけど、日本人の僕からしたらメジャーデビューって「うわっ!」と驚くこと。だから本当に嬉しかったですし、より多くの人に音楽を届けることが出来るということは、本当に夢のようでした。「あの、ソニーミュージックさんからデビューですか?」と一度聞き返しましたもん(笑)。メンバーとはその嬉しさを共有しましたし、メジャーデビューの日にはみんなでご飯を食べに行きましたね。メジャーデビューを通してたくさんの人に音楽を届けていけたらなと思っています。
多くの人に届けるためには、バンドとしてどういう部分を伸ばしていけば、より多くのリスナーにHi-Fi Un!cornの魅力や強みを訴求出来ると考えていますか?
シュウト:音楽的な面はもちろんなんですけど、僕らの楽曲は一つのジャンルに絞られていないんですよ。だからこそ、より多くの人に届けることが出来ると思う。僕たちはバンドというより、アイドルバンドと形容されると思うので、音楽とプラスαでビジュアル面でもリスナーを惹きつけることが出来るのではないかなと。
なるほど。皆さんは、今後伸ばしていきたいと考えていることはありますか?
テミン:とにかくもっと実力をつけることだと思います。多くの人に届くようなボーカルになりたいと思いますね。バンドとしては、Hi-Fi Un!cornの色を探している最中なんです。幅広いジャンルが出来ることは強みの一つですけど、一つ自分たちの色を見つけることでもっともっとHi-Fi Un!cornの音楽を届けることが出来る。そこに関してはこれからの宿題かなと思っています。
ヒョンユル:テミンが言うとおり、まずは実力。そしてチームワークをもっと高めることが必要だと思います。やっぱりバンドはライブが重要だと思うんです。チームワークを高めることで演奏を超えた魅力というか、僕たちが一つになることで生まれる魅力があると思うんです。僕たちだからこそ出来る何かを見つけることが必要だなと。
ギユン:すごく分かる。バンドを応援したくなる魅力を放つためにも1人1人のキャラクターを見つけないといけないと思います。ステージ上だけでなく、ステージを降りたときにも発揮される個性と魅力を見つけることで、人気になれるんじゃないかな(笑)。
ミン:1人1人の魅力を合わせてHi-Fi Un!cornとして一つになる。それがいちばんだと思う。
素晴らしいですね。5人がしっかり共通認識を持っている。これからますます楽しみですね。
ヒョンユル:(サムズアップをして)楽しみです!
アジアで掴んだ大きな手応え
初のアジアツアー「Hi Fi Un!corn 1st ASIA Tour “Beat it Beat it」を完走されましたね。大阪府、神奈川県、ソウル、台北の4都市での開催、どんなツアーになりましたか?

ヒョンユル:めちゃくちゃ楽しかったです! 韓国でワンマンライブがやりたいと思っていたので、それが実現したことが嬉しかったし、そこに加えて台北でもライブをすることが出来て…! 皆さんからいい反応をいただけて、もっともっと海外でもライブをやりたいなと思いました。
手応えがあった。
ヒョンユル:もちろんです! 僕たちは、皆さんともっとコミュニケーションを取りたいということで、訪れる国の言語を勉強するんです。日本では日本語でMCをしますし、今回の台北では出来るだけ中国語でMCをしました。自分の勉強にもなるし、楽しんでいます。
どんどん頭が良くなりそう。
テミン:そうですね(笑)。
シュウトさんはいかがでしたか?
シュウト:初めてということで不安もありました。韓国と台北では曲を韓国語バージョンに変えて披露したんですけど、パートも変更したりして日本とは異なる盛り上がりが生まれるのではと思ったら、本当にその通りで。台北ではお客さんの声の方が大きいんじゃないかと思うくらい一緒に楽しんでくれて! 手応えをすごく感じましたし、その反面思った通りにいかないこともあって。その悔しさは、『Teenage Blue』を引っ提げたツアーでパワーアップした姿を見せることで、解消したいと思います。
上手くいかなったというのは、スキル面で?
シュウト:僕は歌詞を間違えたこともあったんです。日本語で歌っていたものを韓国語で歌う際に、こんがらがってしまって。逆に日本語で歌っているときに韓国語が出てきてしまったり……。そのスイッチの切り替えを今後はしっかりしたいなと思います。
そういう問題が出てくるんですね。なかなかない経験だと思います。
シュウト:確かに(笑)。
テミンさんはどうですか?
テミン:台北に僕たちを知ってくれている人がいるの?と半信半疑なところがあったんですけど、いましたね(笑)。それが驚きでした。あと、ずっと僕たちは日本に住んでいるから、韓国語で歌う機会がなかったんですけど、僕はシュウトとは逆で日本語で歌うことに慣れてしまって、韓国語で歌うときに日本語が出てきてしまって焦りました(笑)。
テミンさんも同じ経験を!
テミン:そうなんですよ! ミステイクが3回くらいありました(笑)。韓国人なのに韓国語を間違えるなんて恥ずかしいじゃないですか! だから、次のアジア公演では頑張りたいです。
今のHi-Fi Un!cornを象徴する作品
次のツアーは、メジャー2作目『Teenage Blue』を引っ提げたツアーになりますね。1作目とは異なった魅力を放っていたと思うし、リード曲の『Teenage Blue』は今後のHi-Fi Un!cornにとって新たなライブアンセムになることを予感するというか、ファンの人たちと楽しんでいる様子が想起されました。皆さんは今作にどのような印象を持たれましたか?
ヒョンユル:初めて合奏したときの印象なんですけど、演奏しながら感動しました。めちゃくちゃ好きだなと思ったんです。コーラスを一緒に歌う部分もあるんですけど演奏するだけでなく、自分の体を使うことで生まれた感動もあって。なので、聴いてくださる皆さんも一緒に歌うことで、僕と同じ感動を体感できると思うし、いい曲だと思ってもらえるはずです。
ギユン:僕の話を歌ってくれているのでは?と思いましたね。20歳のときに除隊して、ベースを弾く日々、ふと我に返った時、「自分には何もない」と悩んだことがあったんです。そんな当時のことを思い出して、この曲はその当時の僕のことを歌ってくれているんじゃないかなって。そういう思いも含めて、今回の曲は今まで以上に集中して演奏することが出来たんじゃないかなと思います。

ミン:僕も同じような印象というか、僕たちの曲だなと思ったんです。だからこそ早くライブで演奏してファンの方と思いを共有したいなと思っています。
テミン:僕らの話じゃないかと思うよね。だから最初に聴いたときは嬉しかった。この曲は聞いた瞬間から大好きになりました。歌詞が共感できる歌詞だったし、だからこそ聴いてくれる皆さんも僕らの気持ちを感じてくれるのではないかと思う。ミンくんが言うようにファンの皆さんの前で早く演奏したいです。
最初にいろんなジャンルを歌えるようになったとテミンさんはおっしゃっていましたが、今回の曲はどうでした?
テミン:とにかく楽しかったです! この曲はクセなどを全部外して自分の声、そのままで歌いたいと思ったんです。シュウトと話しながら、ストレートに歌うことを決めました。青春そのものを歌声で伝えたいと思いました。
シュウト:一聴するとアップテンポでロックサウンドな夏にぴったりな曲ではあるんですけど、どこか懐かしさだったり、寂しさを感じる曲でもあると思うんです。琴線に触れる何かがある。だからこそ僕もレコーディングでは、テミンくんが言った通り、青春というものを素直にストレートに伝えることを優先して、歌詞にフォーカスしてレコーディングしました。
歌詞を伝えたいという気持ちがボーカルの2人にはあったんですね。
シュウト:そうです。言葉を伝えるためにストレートな歌唱を心掛けた。ありのままの僕で歌いました。
この曲はそれが功を奏していると思います。疾走感に合わせて等身大なふたりが歌う、それがすごくマッチしていた。
テミン・シュウト:ありがとうございます!
メジャー2作目の『Teenage Blue』はどんな作品に仕上がりましたか?

ヒョンユル:1枚を通して僕たちの話だと思います。僕たちが音楽を奏でる理由は“愛を届けるバンドになりたい”から。今って自分自身を愛してない人が多い印象があるんです。だから、僕たちは自分の美しさや人は愛されるために生まれたということを、音楽を通して伝えたいと思っているんですね。
素晴らしい思いですね。
ヒョンユル:『Teenage Blue』の歌詞の中には、〈見上げた流星 僕らを置いて〉、〈僕らは流星 夜明けの方へ〉という二つの対になる歌詞があります。最初は見上げていた流星が消えてしまうんですけど曲の最後では、自分自身が流星だったことに気付いて前に進もうとする。これって、まさに青春だと思うんです。悩みや不安を抱えて自分自身が嫌いになることもあるし、1人置いて行かれたと錯覚する時だってある。でも、それも含めて自分自身なんですよね。そういう時期もひっくるめて青春だと思うし、夢を追い続ける限り青春は消えない、そんなことを伝えたい曲であり、僕たちが抱えている思いが反映された僕たちの歌。
なるほど。
ヒョンユル:『Cotton Candy』は自分たちの色でいけばいい!という思いが込められていて、それも「自分たちの色を」と先ほど語った僕たちの思いが反映されている。そして、『Backyard High-Five』は、まず“High-Five”と“Hi-Fi”の言葉遊びがあるし、自分が楽になれる場所や癒してくれる人を“Backyard”に例えて表現した曲なんですけど、その“Backyard”は自分にとってメンバーだと思うし、ファンの皆さんだと思う。だから3曲を通じてHi-Fi Un!cornの曲だと思うんです。
今のHi-Fi Un!cornを象徴する作品になった。
ヒョンユル:そうです!
シュウト:本当に今の僕らを表現する楽曲に仕上がったと思います。
もっと多くの人へ愛を届けたい
最高の1枚に仕上がった本作を花や植物に例えるならどんなイメージになりますか?

ギユン:僕は、蕾だと思います。咲く花はどんな花でもいい。これからHi-Fi Un!cornがどんな花を咲かせるのか、聴いた際に感じる胸の高鳴りがそう感じさせるのかもしれません。
ヒョンユル:蕾、いいね。まだまだ足りない部分も多いバンドだけど、その足りない部分も認めて、等身大の僕らを表現した1枚だと思うから、蕾はぴったりかも。いつかは花になりたいですね。
シュウト:僕は、ひまわりですね。青春と考えたとき、ひまわりがいちばん最初に思い浮かびました。ひまわりって太陽の動きに合わせて動くと聞いたことがあるんですけど、その姿が僕らとファンの方の関係に似ているのかなと。今作を通じて、僕らはずっと見つめあっているよと伝えたいですね。
ありがとうございます! 最後に今後の目標と展望をヒョンユルさん教えてください。
ヒョンユル:大きな目標は、もっともっとたくさんの人に愛を届けること。なので、もっと大きなステージに立って愛を届けていきたい。そして近々の目標で言えば、日本のフェスにも出演したいですし、台北と韓国を経験したので、今後はフィリピンなどアジアを舞台にいろんな場所で音を鳴らしたいです。英語圏でもライブをやりたいと思っています!

TEXT 笹谷淳介
PHOTO Kei Sakuhara
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