【インタビュー】アナタシアが初の映像作品「ANATASHIA ONE MAN LIVE 2024 Nextage」をリリース。7人が語る“踊ってみた”の魅力と喜びの声
ブレイクダンスとアクロバットを取り入れたパフォーマンスで ジャンルを超えた今までにない7人組踊り手チームであるアナタシアが、12月24日に初の映像作品『ANATASHIA ONE MAN LIVE 2024 Nextage』をリリースした。本作は、2024年8月11日(日)にZepp Hanedaにて行われたライブ映像が収録されるもの。今回は、そんなアナタシアの7人にインタビューを敢行し、映像化が決まったことについて等身大の言葉で語ってもらった。
それぞれが培ってきた個々の強み
まず最初にアナタシアというグループ名の由来から教えてください。
芝健:アナタシアはヨモギギクという花の別名で、花言葉は「挑戦」。そこから取ってグループ名をアナタシアにしました。
なるほど。実は、Lotusも蓮の花という意味があって。なんだかこのインタビューは親和性が高い気がしますね。
芝健:確かに! いいですね!
グループ結成からこれまで培ってきたグループの強みや個人の強みなどそれぞれ1人ずつ聞かせていただけますか?
芝健:可愛いメンバーもいますし、カッコいいメンバーもいますし、パンチが強いメンバーもいますし……! ダンスにおいてもかっこいい・可愛い・すごい。が全て出来るグループだと思っています!
ハネル:メンバーは信じてくれないと思うんですけど、自分はこの活動をするまで元々人見知りだったんですよ。
芝健:え? そうなの?
ハネル:こうやって反応されるくらい今は本当にいろんな人たちと関わらせていただいて、コミュニケーション能力が自分の中で長所になっていて。誰とでも仲良くなれるくらいの人間性をアナタシアに入ったことで頂けたなと思っています。
なおや:たくさんのステージに立たせていただくのでメンタル的に鍛えられたなと思います。勝負所や自分のソロパートのときにかますことが仕事だと思うんですけど、そこでかますことが出来ている。勝負所に強くなっているんじゃないかなと思います。
カナタ:これは質問の答えに合っているかどうか分からないけど、もっとも一般思考に近い演者って僕以外いないな?と思うんです。
芝健:あはは(笑)。でもそれって大事だよ!
カナタ:演者ってやっぱりキラキラしているし、夢を与える存在だと思うんですけど、僕を見てファンの方は「私も頑張ろう」と思う。そういった共感力を与えることが僕の強みなのかなと思っていますね。
それは、カナタさんの自の性格も影響している?
カナタ:僕ってあまり話しかけられないんですよ……。顔がコワモテだからか、絶妙に距離が生まれてしまう。でも、僕自身は気持ち的には一般人なんです、でも恐れ多いと勝手に思って貰えているというか。だからこそファンの方といい距離感が生まれている。
なるほど。性格も影響しているけど、コワモテだったこともプラスに作用している。
カナタ:自分は、この顔で良かったなと思います(笑)。
まりんさん、まさとさん、りおんさんはいかがですか?
まりん:来年で10周年を迎えるんですけど、自分の活動スタートがその2年前からなので、現在11年、踊ってみたで活動を継続していて。踊りそのものを始めたのは高校生だったから人生の半分を踊りに費やしているということで1つのことをずっと続けられるという自信と証明が出来たことが気持ち的にもステータス的にもすごくやっていて良かったなというのが大きいです。
まさと:僕の強みは、メンバーの中でいちばんご飯を食べるので……(笑)。
芝健:それは強みだわ!
まさと:誰よりもご飯を食べる自信があるので、みんなが困っているときに駆け付けられる!
まりん:この前、芝健からハンバーグ貰ってたもんね?
芝健:助けてもらったわ! 食べきれないハンバーグをね! ありがとう!!
ダンスと関係ないという(笑)。
まさと:あはは(笑)。「お腹いっぱいや〜」ってときにメンバーの力になれます。
りおんさんはいかがでしょう?
りおん:強みでいうと、僕らはどこかに所属をしている訳ではないので。みんなそれぞれが動いたりするんですけど、アナタシアに加入してからそこを考える力というか。このときまでにこれをしなきゃいけないと考えることは加入してから勉強させてもらっています。あとは、他のメンバーから吸収しています。加入してから意外と自分がやったことないことをやることも多くて。メンバーそれぞれに得意分野があるので、そこから吸収して自分のものにすることで自身のスキルアップに繋げることが出来ました。
アナタシアのターニングポイント
“踊ってみた”というジャンルはすでに日本の文化になっている気がしますが、皆さんが考える“踊ってみた”の魅力ってどんなところにあると思いますか?
芝健:ストリートダンスという言葉だけを聞いてみると、やってない人にとっては少しハードルや敷居が高いものだと思われるかもしれないですけど、“踊ってみた”は経験や歴は関係なく文字通りどんな人でも“踊ってみた”だけ。ただ踊ってみるということが表現できるものなので、敷居も低いしどんな人でも挑戦できる。僕らも憧れる演者さんと同じ舞台に立つことが出来たり、逆に僕らを知ってくれている後進の子たちが「同じ舞台に立ちたい」と思ったら、その夢は叶う可能性が高い。そういった世界なのかなと思います。
まさと:自分の体感なんですけど、“踊ってみた”って曲を決めて、その曲で“踊ってみた”という作品を作るので、その曲に対してストーリー性を生み出したりとか、構成で表現を作ったり、世界観を作り出すことに長けているコンテンツだと思うんです。昨今、ストリートダンサーやダンス作品などキャッチーなものが増えてきたなと感じてはいるんですけど、“踊ってみた”はその潮流の中でもスペシャリストの集まりというか。表現力の豊かさや世界観をとても大事にしている文化だと思います。
ハネル:洋楽などで踊っているダンサーさんは音に合わせてはめていくというのが魅力だと思うんですけど、“踊ってみた”の強みは音だけではなく、歌詞に当ててフリを作ったり、表現したりできるので、観ていて楽しいと思う年齢層がすごく幅広いと思うんです。“踊ってみた”を好きな小学生もたくさんいらっしゃるし、年代を問わず幅広く発信できる1つの文化だと思います。
本当に日本が生み出した文化だなと思いますし、その流れを見てきたのがアナタシアというグループなのかなと思いますが、グループのターニングポイントや印象深い出来事についても教えてください。
まりん:結成は芝健、ハネル、まりんの3人から始まっていろんなタイミングがあって今という感じなんですけど、最初は助っ人を入れつつ5人とかで活動を続けて来て。正式メンバーが定まらないまま、抜けたり入ったりを繰り返しもあったりする中で、2019年に全国5大都市ツアーをしたんです。りおんとなおやがいない5人で5ヶ所回って、赤坂BLITZの追加公演でりおんが加入することを発表、そこでやっと安定したというか、ちゃんと新しいメンバーを迎えられたことが嬉しかったし、大事にしたいと思ったんです。
それまでが本当に安定しなかったので……。毎年のように脱退するメンバーがいたし、ファンの皆さんに不安を与えてしまった。そこからようやく安定できる、2019年のツアーを経てグループの土台を作れたなという思いがあります。やっぱり土台を作ることが出来ないと「また抜けるのでは?」という不安も拭えないし、その不安があると先に進めない。今7人になっていろんな活動が出来ているのも2019年に作った土台があるからだなと思いますね。
大きなターニングポイントですね。りおんさんは2019年に加入されましたが、活動を振り返るといかがですか?
芝健:どうなのよ!?
りおん:加入して翌年にはコロナ禍で、ここから頑張るぞというときにイベントが出来なかった。その中でYouTubeやメンバー間で動画を上げたりしていて、大変でしたね……。一昨年〜去年にかけてイベントが出来るようになってきて。先ほどまりんさんがターニングポイントとおっしゃってくれて、そんなふうに思ってくれているとは思ってなかったのでちょっと今感動してます。嬉しくなりましたね。
なおやさんは2022年加入になりますが、いかがですか?
なおや:2022年のZepp DiverCity TOKYOのワンマンを観て、オーデションを受けているので、自分が憧れた舞台に今立てているのが、単純に楽しいです。今年の12月末で加入して2周年を迎えるんですけど、思っていた以上にたくさんのステージに立たせていただいているので、もっと力になれるように努力していかないといけないなと思います。
芝健:真面目!
まりん:いい意味で苦労を知らんもんな(笑)。
この喜びを分かち合いたい
(笑)。結成から紆余曲折があって今回の円盤化ですが、これってとてもすごいことなんじゃないかなと率直に思っていて。
芝健:そうですよね!!!
音楽ならカバーアルバムというカテゴリーがあると思うんですけど、“踊ってみた”というジャンルでアナタシアという冠を掲げて円盤化するって、快挙だと思うんです。きっと皆さんからは「念願」という言葉が表に出てくると思うんですが、率直に今の気持ちを教えてください。
芝健:幼い頃から見ていたアーティストさんや音楽やいろいろな活躍をする同年代の友達が「映像化決定しました」と言うのを羨ましいなと思って見ていたことを自分たちが実現することが出来た。それは許諾をいただいたアーティストの皆さんや制作に携わってくださった皆さんのおかげで実現出来たこと。ここまで連れて来てくれたファンの皆さんに感謝したいし、この喜びを一緒に分かち合えたらなと思います。
ハネル:自分は好きなアーティストさんの映像作品をリピートして観ていたタイプなので、今でも自分が映像化されるというのは実感がない部分ではあるんですけど……。自分がリピートされる側になるんだなと思うと嬉しいです。今回、円盤化するということで母がすごく喜んでくれて! 新しい動画が上がればすぐ観てくれるんですけど、フィジカルとして形に残すことはこれまでなかったので、この活動をすることで育ててくれた両親が喜んでくれる瞬間があるというのは、やっていてよかったなと思いますね!
なおや:普段も自分たちで撮った映像を見返したりするんですけど、それとはまた異なる形で自分が踊っている姿を振り返ることが出来るというのは、嬉しいですよね。
芝健:いいカメラで撮ってもらってね!
なおや:画質もいいですからね(笑)。アップで抜いてもらえたりして!
いいですね。カナタさんはいかがですか?
カナタ:円盤化された公演『ANATASHIA ONE MAN LIVE 2024 Nextage』は今年の夏の全てを注いだものなので、努力の結晶が形になったことが嬉しいです。純粋にDVD用の棚に自分のグループの作品があるってすごいなって思います。
まりん:最初にお話を頂いたとき、シンプルに出来るんだという気持ちがあって。正直、諦めていた部分があったんです。僕たちの界隈で出していないということは、版権の問題が難しいと思ったし、僕たちがやるにはどこに連絡すればいいのかというところからのスタート。それを考えると労力をそこに注げないとも思った。今回、お声がけいただいて、本当に大人の方たちのお力添えと、僕たちのためにいろんなところに頭を下げて頂いたことで実現したと思うし、たくさんの方の力を借りて叶えられたもの。みんなで作り上げた作品だと思います。自分たちでは叶えることが出来なかったので、この出来事を大事にしたいです。
まさと:僕は元々、社会人をやりながら活動者をしていたんですけど、そこから“踊ってみた”に人生を捧げるために社会人を辞めて、今活動を続けています。いろんなステージに上がり、動画で発信して、自分の日々を残していくたびに活動者になってよかったと思う中で今回の円盤化は、活動した証を残せたと思える。改めて嬉しいなと思えることにワクワクしています。今までの自分の人生を振り返ることが出来る素晴らしいものが生まれてくれたなと思います。
りおん:Zepp DiverCity TOKYOでリリースイベントをやらせて頂いたときに、終演後、「めっちゃ良かったです! 絶対円盤化しましょう!」と大人の方に言われて。その場ではノリでおっしゃってくれたのかなと思ったんですけど、それがまさか本当に着実に進んでいくとは……!と。「決定しました!」と言われて、本当にするんだと思いました。
最初は正直、面を食らった感じもあったんですけど、いろんな人たちに「すごいですね」と声を掛けてもらって、ファンの皆さんとも共有出来て! 今まで、映像として残す機会がなかったので、皆さんに早く観てほしい気持ちが強いです!
改めて『ANATASHIA ONE MAN LIVE 2024 Nextage』はどんなライブになりましたか?
芝健:お客さんとの距離が近かったなと思います。客席に降りたという物理的な意味でも近かったし、ヘッドセットマイクを使うことで曲が掛かっていても僕たちの声がお客さんに届くということを実感しました。「お客さんの歓声を聞いて、いつも力もらってます」というふうにいつも言うんですけど、今回はダンスをしながら自分たちの思いや声をお客さんに伝えることが出来た。だからこそ距離を近く感じたのかもしれません。
まりん:毎年Zeppクラスの箱でライブをさせて頂いて、最初は6人で立って、翌年になおやが加入。7人になって2回目のZeppということで、去年と同じ内容だと観に来てくれた人も「アナタシアはここまでなのかな」と思ってしまうかな?というところで、客席に降りたり、ヘッドセット、掛け合いでネタを入れたりしてグループの進化というか、着実に右肩上がりしているところを魅せれたかなと思います。それが100点かどうかは、お客さん側の反応も加味しないといけないけど、自分たちが今持っているアイデアとスキルは全て出せたライブになったかなと思います。今の最高地点です。
そのタイミングで円盤化は本当に嬉しいですね。
まりん:いいタイミングで残せました!
これが“踊ってみた”のスタンダードになるかもしれないですしね!
芝健:確かに! 僕らだけじゃなくね?!
まりん:そうですね。あとは、後進に続く覚悟がある人がいるかというね(笑)。後ろを振り向いて誰もいなかったから悲しくなりますけどね。この界隈に期待したいです!
まだ見たことない景色をファンとともに
ここで、恒例の質問がありまして。媒体名である、Lotusは直訳すると花の蓮という意味になります。本作を花や植物に例えるならどんなイメージになりますか?
ハネル:うーん、朝顔かな。
芝健:その心は?!
ハネル:みんなで頑張って、頑張って、やっと咲いたみたいな。
まりん:それだったら自分はひまわりかな。明るい方へ進んでいるよという証というか暗示というか。ちゃんと心配しないでついて来て欲しいなという、プラスの面しかないかなと思います。
カナタ:僕はつくしです。真っ直ぐ上に伸びていく感じがします。
まさと:こじつけるなら、この日まで綺麗に仕上げて仕立ててきたから、各々のカラーの7本のバラの花束みたいな感じですかね。1つの花束にしてファンの皆さんに届けたという感じ。ニュアンスですけど……(笑)。
なおや:僕は四葉のクローバー。いろんな出会いがあってこの作品が完成したと思うので。幸運という意味もありますから!
りおん:じゃあ……、桜にしておきます。
芝健:お! その心は?
まりん:俺らもいつかは散るってこと?!
りおん:いや、今まで積み上げてきて出来なかったことが冬を超えてパッと花開く。桜は毎年咲きますし、毎年皆さんから愛される、僕たちもそんな花になりたい……、そういうニュアンスで、どうでしょうか(笑)。
まりん:そういうことにしましょう(笑)。
では、最後に芝健さん!
芝健:結局ここに返ってくるじゃないですけど、これまでの工程も踏まえてアナタシアなのではないでしょうか。
全員:よっ! 拍手!
ありがとうございます! 最後に今後の目標・展望を芝健さんに聞いてもいいですか?
芝健:僕らがまだやったことないのは、ジャンプアップという床から出てくるものであったり、ゴンドラやトロッコ、まだ僕らが見たことのない景色をファンの方たちと一緒に見るためにさらに大きなステージに立てるように頑張っていきます!
TEXT 笹谷淳介
PHOTO Kei Sakuhara
リリース情報
Blu-ray & DVD『ANATASHIA ONE MAN LIVE 2024 Nextage』
2024.12.24 発売中
<価格>Blu-ray ¥6,000-(税込) DVD ¥3,000-(税込)
発売元:株式会社ロックフィールド
販売元:コロムビア・マーケティング株式会社
<収録項目>
◆Blu-ray
Bling-Bang-Bang-Born ※short尺
可愛くてごめん※short尺
メズマライザー
唱
ダンスロボットダンス
エフピーエス
ロールプレイングゲーム
厨病激発ボーイ※short尺
トキメキUNITED
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なにやってもうまくいかない
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阿修羅ちゃん
◆DVD
Bling-Bang-Bang-Born ※short尺
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エフピーエス
ロールプレイングゲーム
厨病激発ボーイ ※short尺
トキメキUNITED
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阿修羅ちゃん
アーティスト情報
YouTubeを中心に活動している7人組の踊り手グループ「アナタシア」
ブレイクダンスとアクロバットを取り入れたパフォーマンスで、ジャンルを超えた今までにない踊ってみたに挑戦しています。
これまでにワンマンライブ、東名阪ツアーなどが開催され、2019年には全国5都市ツアーを開催、追加公演では赤坂BLITZでのステージを披露。
2022年8月には、夢のZepp divercityでのワンマンライブを開催、成功を収めている。