インタビュー

成長と進化を続けるアーティスト高野洸、試行錯誤して完成した9thシングル「君という奇跡」について聞く

成長と進化を続けるアーティスト高野洸、試行錯誤して完成した9thシングル「君という奇跡」について聞く

俳優としても活躍するアーティスト高野洸の9枚目となるシングル『君という奇跡』が6月12日にリリースされた。本作は自身が主演を務めるドラマ『過保護な若旦那様の甘やかし婚』のED主題歌である『君という奇跡』含めて、全3曲が内包される。アーティスト活動を始めて今年で5周年。彼は、今何を語るのか。成長と進化を続ける高野洸にたっぷりと話を聞いた。

もったいないと思えるのも、成長

2024年は、アーティスト活動5周年の年になりますが、振り返るとどんな時間になりましたか?

高野洸(以下、高野):あっという間に思えるんですが、デビュー当時を振り返るとすごく昔のことのようにも思えて、正直5年以上経過していないかなと思うくらい、すごく不思議な感覚ではあります。ただ、1枚1枚リリースしていく中で、当然のように全てに思い入れもありますし、苦労や反省などさまざまな感情があって、そのどれもが大事な思い出。発売して、リリースイベントをして、ライブも回って、1つ1つ皆さんに届けていけたなと、今はそう感じています。

苦労というお言葉もありましたが、アーティスト活動をしていてそう感じる部分はどのようなところに?

高野:基本は、すごく楽しいんですよ。ライブで皆さんが盛り上がってくれるのもすごく嬉しいですし、応援していただけるのも嬉しい。ただ、過去の曲を聴いたりすると後悔のような感情はありますね。それが苦しいという感情なのかは分からないけど、もったいないなと思うことがあって。でも、そこも成長ですよね。あの頃の自分に対して、もったいないと思えるのは、成長していっている証拠なのかなと。

もったいないというのは、スキル面においてですか?

高野:そうですね。特に歌唱面での技術はやりながら少しずつ学んでいったものになるので、アクセントの付け方だったり、楽曲に対してのアプローチなど、もっと出来たんじゃないかなと思ったりはしちゃいます。

日々、試行錯誤しながらの5年間だったんですね。この5年間でご自身の音楽性が明確になったのでは?

高野:いつのタイミングと言われたら、分からない部分がありますけど6枚目のシングルあたりからは、自分がやりたい曲だったり好きなジャンル感でやらせてくださいというのを言っていた気がしますし、実際に選んでいる曲もそういう曲が多いので。自分が育ってきたダンススタジオでよく聴いていた音楽、HIPHOPや宇多田ヒカルさん、R&Bなど好きな方向に寄せていっている感じはありますね。

高野さんの楽曲を聴いていると、HIPHOPやR&Bのエッセンスを感じるというか。歌の乗せ方やフロウの乗りは、まさにそういったジャンルから影響されたものなのかなと。やはり、ルーツはHIPHOP界隈のものになる?

高野:そうですね。ダンスをやっているということもありますし、歌をダンスに乗せるという意味でもそういうサウンドの方がいいなと思うんですけど、それは絶対というわけではなく。違う曲調にダンスを乗せるのももちろん楽しいし、いいと思うので。でも、ルーツはスタジオで聴いていたHIPHOPになりますね。CDを買って家族と車の中で流していたりもしていました。オールドスクールなサウンドは好きです。

今後は作曲にもチャレンジしていきたい

なるほど。高野さんは作詞もコンスタントにされていますけど、詞を書く上で心がけていることはありますか?

高野:面白さですかね。あとは、ノリの良さ。ありきたりなものは書きたくないという自分の性格もあるんですけど、歌詞カードを改めて見て「おお!」と思ってもらいたいというか。もちろん曲を聴いてストレートに理解していただくのもいいんですけど、ワードチョイスや突拍子もない言葉の羅列を使ってみるのも面白いのかなと思っています。あとは、このメロディーにはこの母音がいいなというのは、絶対出てくるので、そういったものをはめていく感じですね。

高野さんの歌詞からは、表現欲求を感じる部分も多々あって。ご自身で書くからこそ自由度も増していく。その中で、まだまだ模索しながら表現を続けているのかなと。

高野:常に探してはいますよね。でも自分のタイミングで曲が出来上がっていると思うんです。だから、「なんだこれ?」という歌詞もあれば、思いが乗っかっている歌詞もあるんじゃないかなと思う。

その都度の感情が歌詞に乗っているということですよね。歌詞は、どんなときに思い浮かぶんですか?

高野:お風呂に浸かっているときとかが多い気がしますけど、基本は夜、家に帰って作業しながら考えている感じです。布団に入って寝ようとしているときにめちゃくちゃ出てくるときもあるので、そういうときは夜ふかしするしかないですね(笑)。

元々、文章を書いたりするのは得意でしたか?

高野:いや、苦手です(笑)。歌詞って文章とは異なる部分があるじゃないですか。だから楽しめているというか。音楽はいろんなベクトルで楽しんでいる気がします。多分、作文だけだったらそんなに好きじゃないと思うけど、歌詞という歌に乗せるものなら楽しめる。そこは好きですね。

音を想像しながら歌詞も考える。

高野:立体的にしていく感じが楽しいですね。

作曲という部分では、共作にはなりますが『slow game life feat.Bimi』(2022年)で担当されていると思います。作曲についてはいかがですか?

高野:共作とはいえ、まだちゃんと作曲に関わったことはないので。『slow game life feat.Bimi』は、バース部分のトラックだけを聴いてリリックを乗せたりBメロのサビを一緒に考えたり。2人だったので、今度は1人で作曲にも挑戦したいなと思っているんですよね。

でも、この経験は大きくて。いつもなら曲とメロディーがある中で作詞するものをトラックだけでハメていくのでより自由度が高くて、いつもより時間が掛かった記憶があります。迷う回数も多かったし行ったり来たりするというか、進んでいく中でまたスタートからやり直したいと思うことが多かった制作でした。

作曲を増やしていたいと思っている。

高野:曲はいつか絶対作りたいなと思っているので、近々時間があれば、ソフトをもう勉強して曲を作れるところまでスキルを上げていきたいですね。徐々にやっていきたいです。まずはメロディーからというのでもやっていきたいです。

試行錯誤して完成した、『君という奇跡』

それでは、本作『君という奇跡』についてお聞きします。前作『ex-Dollエクスドール』は、デビュー5周年を記念してのシングルで「自分らしくパフォーマンスすること」がテーマと別のインタビューでお答えされていましたが、本作にもテーマはあるんでしょうか?

高野:今回は特にテーマということはなく、1曲1曲を選んでいった形になるんですけど、『君という奇跡』はとにかくドラマに合うキャッチーだけどオシャレな曲というのを探して。メロディーもオシャレだし、リズムも特徴的で気持ちいいJ-POPではあるんですけど、耳馴染みも特別感があるなと思いつつ。歌詞も僕が主演を務めるドラマ『過保護な若旦那様の甘やかし婚』のEDテーマなのでそれに沿って幸せな雰囲気で作っていただけていますし、全体的に幸福度の高まる曲になっていると思います。

かなり世界観にマッチした楽曲に仕上がりましたよね。2曲目の『UFO』、3曲目の『Wonderful World』はいかがでしょう。

高野:僕はR&Bだと思っているんですけど、SFっぽいサウンドも入りつつ、歌詞はガッツリSFテイストなので、可愛らしい曲に仕上がったなと。『Wonderful World』はローなサウンドでテンポもローなんですけど、そこにラップが乗って。気だるげな雰囲気でラップは録りましたし、3曲の中ではスパイスのある曲だなと思います。

『君という奇跡』は改めて高野さんの声にフォーカスした楽曲だなと思いましたが、実際に歌唱されてみていかがでしたか?

高野:難しい箇所もたくさんありましたし、特にリズムが思っていたより難しい。1度聴いただけでは気づけないシャッフル感だったりが、要所要所に散りばめられている楽曲で。そういう面では、何度も録り直しましたね。サビは、ずっと高いし歌詞も連打するじゃないけど、続いていくようなフレーズなのでブレスのタイミングも気にしつつ、歌っていましたけど気持ちよく歌いたいなって。それが音源に乗って欲しいし、皆さんの耳で聴いていただくときも気持ちよくあって欲しいと思ったので、納得いくまで時間が掛かった記憶はあります。

テイクを重ねて、完成した。

高野:そうですね! 基本はAメロから録っていくんですけど、Aメロ→Bメロ→サビと全部に時間が掛かっているんですけど、サビを録ったあとに、「Aメロをやり直してもいいですか?」と録り直しましたね。

試行錯誤されたんですね。

高野:レコーディングも大変だったし、制作も慎重にやっていきました。

カップリングの2曲は高野さんのルーツミュージックであるHIPHOPやR&B味の強い楽曲だったから、得意ジャンルだったのかと思うんですが、こちらの歌唱はいかがでしたか?

高野:『UFO』も気持ちよく歌いたい箇所がたくさんあって。特に音の乗りというか、アクセントをつける場所がかなり多いので、そこをちゃんと意識して歌いましたね。歌詞も本当に面白いし遊び心がありつつ、韻を踏んでいるのでそれをちゃんと立てたいと思って進めていきました。

『Wonderful World』は、思い切って喉が鳴っている感じでラップをしているんですけど、声を張らずレコーディングしましたね。一応僕なりに、あの歌い方が合うんじゃないかなと思ってやらせて頂きましたけど、フックが終わったあとのフック2部分は気持ちいいところではあるので、皆さんにもそこは是非首を振って欲しいなって思いながらレコーディングしたりもしていましたね!

高野洸 / 君という奇跡 (Music Video)

なるほど。先ほどお話にもあったように、『君という奇跡』はご自身が主演を務めるドラマのED主題歌。座長としてもアーティストとしても背負うものが多かったと思います。

高野:ドラマの主演は大変だなと思うんですけど、EDも担当させてもらってすごく光栄だなと思いつつ、どちらも全力で向き合いたいなと思っているし、『君という奇跡』を制作しているときは、ドラマがどうなるかもイマイチ想像できてなかった。想像した上で、ハマるかな?という不安がありつつやっていましたけど、もちろん演じる際は、その役になれるようにというか、台本に沿って演じさせてもらいました。

ドラマの現場の雰囲気はいかがでしたか?

高野:めっちゃ明るかったんじゃないかなと思います。三木康一郎監督は厳しいときは厳しいんですけど、アドバイスをたくさんくれる監督ですし、ワチャワチャする明るさというよりはまた違った明るさのある現場。基本は、井頭愛海さんとの撮影が多かったですけど、たまに来てくれる後藤大くんだったり、大和田伸也さんだったりゲストの方々が来ているときは、僕も積極的に話をかけたりとか、そういう雰囲気で撮影は進んでいきました。

俳優とアーティストという二足の草鞋でお仕事をする中で互いの活動が影響しあっていることはありますか?

高野:俳優からアーティストへの影響は、歌詞を書くときも圧倒的に影響されていますし、普段、あまり本を読まない自分ですけど脚本にはめちゃくちゃ当然のごとく出会うので、そこで言葉遣いやストーリーをインプットして、それが必然的に歌詞に出ているんじゃないかなと思います。脚本と向き合わない人生だったら違う音楽が出来上がっていると思います。たくさん影響していると思います。アーティストをやっていない役者さんとは違うアプローチの仕方があるかもしれない。リズム感だったり、そういうものが要所要所に出ているんじゃないかなと。ただ、芝居をしているときはアーティストをしている人だとは思われないように、役にあくまでも寄り添ってやっている感じです。

アーティスト・高野洸の方がより自分らしさを出すことができる?

高野:そうですね。ゼロイチじゃないですけど、自分で膨らませていく部分が多いのでアーティスト活動はわりと自分で自己プロデュースしている部分があるので。自分らしさが本当に出るなと思います。

さまざまな“甘さ”が詰まった本作

媒体名である、Lotusは直訳すると花の蓮という意味になります。本作を花や植物に例えるならどんなイメージになりますか? ジャケット写真は、花とともに撮影されています。

高野:ジャケ写の花は僕の馴染みの花だったんですけど、フランネルフラワーといって。花言葉がめっちゃいいんですよね。「高潔」、「誠実」、「いつも愛して」という花言葉で。 でも、自分で考えるなら、桔梗ですかね。『君という奇跡』に関しては、愛なんじゃないかなとすごく思うので、花言葉にはたくさん愛ってありそうですけど、パッと浮かんだのは桔梗ですね。花言葉は、「変わらぬ愛」です。

改めて、本作はどんな作品に仕上がりましたか?

高野:本当に3曲とも個性があるシングルだと思っているんですけど、全体通して言えることは、どの曲も甘いなと思うんです。『君という奇跡』は甘々ですし、『UFO』もすごくアメリカのお菓子のような曲だし、『Wonderful World』も自堕落な自分に甘い曲だと思うし、そういうシングルに仕上がったなと思います。

今後アーティストとしてどのような夢を叶えていきたいですか?

高野:目標は、一応2回出演させていただいているんですけど、3回目の紅白歌合戦出場。ソロで出場する夢を叶えたいという思いでやっています!

ちなみに、やってみたい会場は?

高野:目標のつながりでいくと、もちろんNHKホールでもやりたいですけど、アリーナもやりたいです。ドームもやりたいし。あとは、久留米の劇場ができたんですけど、もっと頑張って久留米でもライブをやりたいなと思います!

役者としての夢も聞いてもいいですか?

高野:役者としては、朝ドラに出たいです! 母親がずっと毎日観ていて、朝ドラが始まった瞬間にチャンネルを変えるという生活だったので、そこに出たいと思うし、皆さんに届けたいなと思います。きっと全く僕を知らないという方もたくさん観ていただけると思うし、そこで少しでも気になって、「アーティストもしている人なんだ」とライブに来てくれたり、応援していただけるようになったら、なおさら嬉しいですね!

TEXT 笹谷淳介

リリース情報

●9thシングル「君という奇跡」
高野洸主演ドラマ・MBSドラマ特区
「過保護な若旦那様の⽢やかし婚」エンディング主題歌
2024年6月12日ON SALE
▶ダウンロードはこちら

【CD+DVD (スマプラ対応) A盤】
AVCD-61438/B
¥2,000 (税抜) ¥2,200 (税込)
<CD>
1.君という奇跡
2.UFO
3.Wonderful World
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1.君という奇跡 [Music Video]
2.君という奇跡 [Music Video Making]

【CD+DVD (スマプラ対応) B盤】
AVCD-61439/B
¥2,000 (税抜) ¥2,200 (税込)
<CD>
1.君という奇跡
2.UFO
3.Wonderful World
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1.君という奇跡 [Music Video]
2.Special Movie in Asakusa

【CD (スマプラ対応) C盤】
AVCD-61440
¥1,250 (税抜) ¥1,375 (税込)
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1.君という奇跡
2.UFO
3.Wonderful World
4.君という奇跡 (Instrumental)
5.UFO (Instrumental)
6.Wonderful World (Instrumental)
初回特典(封⼊) : トレーディングカード
(A盤ver.5種類中1種ランダム封⼊)
初回特典(封⼊) : トレーディングカード
(B盤ver.5種類中1種ランダム封⼊)
初回特典(封⼊) : トレーディングカード
(C盤ver.5種類中1種ランダム封⼊)

●全6都市で開催されたデビュー5周年を記念したライブツアー
「Takano Akira 5th Anniversary Live Tour「mile」-1st mile-」
DVD & Blu-ray 2024/7/31 ON SALE
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出演情報

土曜ナイトドラマ「顔に泥を塗る」
鬼武柊真役

テレビ朝日系24局:2024年7月13日(土)より毎週土曜日23:30~24:00

【原作】ヨシカズ「顔に泥を塗る」(ゼノンコミックス/コアミックス)
【脚本】大久保ともみ、遠山絵梨香
【出演】高橋ひかる、木村慧人(FANTASTICS)、西垣匠、高野洸
【演出】熊坂出、高橋名月
【ゼネラルプロデューサー】服部宣之(テレビ朝日)、
【プロデューサー】藤崎絵三(テレビ朝日)、瀬島翔(スタジオブルー)
【制作協力】スタジオブルー
【制作】テレビ朝日

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アーティスト情報

高野洸
生年月日:1997年7月22日
出身地:福岡県
星座:蟹座
血液型:B型
身長:177cm
特技:ダンス、ゲーム

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