
【インタビュー】「僕らを変えるのは 僕ら」──Hi-Fi Un!corn、メジャーの扉を開く5人の現在地

日韓合同サバイバルオーディション番組『THE IDOL BAND : BOY’S BATTLE』で優勝した5人組ボーイズバンドHi-Fi Un!cornが4月30日にシングル『Beat it Beat it』でメジャーデビューをする。表題曲『Beat it Beat it』は一目ぼれをテーマにしたダンサブルなロックナンバーで、「これまで青春の感じがする曲、切ない曲はやってきたけれど、こういった男らしいセクシーなナンバーは初めて」と語るように、結成から2年を経て力をつけてきた彼らがメジャーシーンに出ていくうえで、起爆剤になるような楽曲である。またもう1曲の『GAME』は対照的に疾走感あふれる楽曲で、メンバー自身も力をもらったという。『Lotus』初登場の彼ら5人、オム・テミン(Vo)、フクシマ・シュウト(Vo)、キム・ヒョンユル(Gt)、ソン・ギユン(Ba)、ホ・ミン(Dr)に、楽曲の魅力はもちろん、バンドの強みやライブで大事にしていることなどを詳しく聞いた。
強烈なインパクトがある『Beat it Beat it』
4月30日にメジャーデビューされたHi-Fi Un!cornですが、シングル表題曲の『Beat it Beat it』は一目ぼれによる心の高鳴りをテーマにしたダンサブルな楽曲ですね。メンバーの皆さんは、どんな印象の曲だなと思われましたか?

シュウト:聴いた瞬間に、本当に中毒性のある曲だな、と感じました。最初のストリングスのインパクトがものすごく強烈で、この曲を僕たちがやったらどうなるのかな、と気になりましたし「早くレコーディングしたい、早くライブで披露したい」と思いました。
イントロが印象的ですよね。
シュウト:そうなんです!イントロから面白い楽曲だな、と思いましたね。
いわゆるバンドサウンドな感じではない曲を、デビューシングルに選ばれたんですね。
シュウト:はい。新しい世界観を持った曲ですが、期待しかなかったですね。
テミン:僕も本当にイントロが好きです。まずストリングスだけ聴いて、「この曲いい!」と思いました。あと、これまで僕らHi-Fi Un!cornがやってきた音楽とまったく違う雰囲気で。
今まで青春の感じがする曲、切ない曲はやったことがあるんですけれど、こういった男らしいセクシーな感じは初めてなので、ボーカルとしても声を少し変えています。いろいろな挑戦もしましたし、それが楽しかったです。
おっしゃる通り、ボーカルがすごくセクシーですね。
シュウト:ありがとうございます。テミンくんと2人で話し合いながら研究しました。息混じりで歌ってみたり、エッジボイス(「あ゛あ゛」と声帯を閉じながら発声する声)を結構入れて、少しセクシーな感じにしてみたり。
ずっと一定で歌ったら面白くないし、歌のメロディーの中でも遊んでいる風にしたいので、アクセントやクレッシェンド・デクレッシェンドを入れてみたりと、面白い感じでレコーディングできました。
ミン:僕も新しいスタイルにチャレンジしました。電子音がたくさんあって、これをライブでどう表現するか考えて、楽しみです!
ドラマーとしても新しい挑戦だったんですね。

ミン:新しい挑戦だと思います。最近SPDという電子パッドを使って練習しているんですけど。ライブで初披露する予定なので期待してください。
ヒョンユル:僕はメインリフも良かったのですが、そのあとのボーカルが入る音がとても好きでした。またギターについて僕はいつもソロパートをもらうんですけれど、今回はシンセサイザーに挑戦したらどうかなと思って、ソロをギターではなくシンセサイザーに変えました。
ギユン:この曲は打ち込みなので、それをリアルベースでどうやっていけばいいのかなと研究していて。ステージで披露するのが楽しみです。
最初から挑戦する曲だったということですね。
シュウト:そうですね。だからこそ、メジャーデビューにピッタリな、ふさわしい曲なんじゃないかなと思います。
バンドの姿勢がよく出ているんですね。そして歌詞は一瞬で心を虜にした相手に対して、ビリビリと心が高鳴る様子が描かれていますが、皆さんが最近一目ぼれしたできごとは何ですか?
ヒョンユル:最近ではないんですけれど、桜を見てビリビリしたことはあります。天気がとても良かった日だったんですけれど、日本の桜はとても綺麗ですね。
ミン:ヒョンユルさんが作ってくれたチャーハンを食べて、ヒョンユルさんにビリビリしました。すごくおいしかったです。僕のお母さんは野菜チャーハンを作ってくれていたんですけど、それと似たものを作ってくれて。
ヒョンユル:ミンが「チャーハンを食べたい」と言ったので、「どういう味がしたの?」と聞いて作ってあげたんです。そうしたら「お母さんの料理の匂いがする」と言っていました。
すごい。レシピを教えてもらったわけでなくても、その味を再現できるんですね。
ヒョンユル:ミンの表現力がすごく上手だったので、僕も再現しやすかったんだと思います。
シュウト:僕は以前、熊本でのロケ撮影で777段という階段に登ったんですけど、そこは僕が幼い時トレーニング用に使っていたんです。1人だったらめちゃくちゃきつくて、そのまま降りていたんですけれど、みんなで登って景色を見たら、本当に綺麗でした。
達成感もありましたし、すごくビリビリした経験でしたね。みんなでいたら、疲れも5分の1になった気がしましたし。
仲間を得て大きく変わった僕らの人生
もう1曲『GAME』が収録されていますが、これは疾走感のあるロックナンバーなので、演奏していて皆さんも気持ちよかったのではないでしょうか?

テミン:『GAME』はバンドらしい曲だと思いましたし、初めて聴いた時は元気になる曲だなと。僕はとても力をもらいました。歌詞もそうですし、リズムやサビのコーラスの入るところなど、すごく自分が好きな感じの曲でした。
だから「この曲は僕が力をいっぱいもらったように、レコーディングをしっかり行って、お客さんに力をあげられるようになったらいいな」と思い、シュウトと頑張って練習をした記憶がありますね。
ヒョンユル:イントロも間奏もすべて楽しく演奏できるフレーズで。絶対ライブが面白くなると思いました。
ギユン:ドラムとベースが疾走感を出すためにはどうすればいいのかな、と話し合いながら、いろいろ挑戦してみて。「こうすればいいね」と意見を出し合いながら進めました。
ミン:僕もギユンさんと同じく、ドラムとベースが重要な曲じゃないかなと思って。パワフルなドラムで、早くライブでやりたいです。ただリズムが早いから、手がちょっと痛いかもしれないですね(笑)。
ヒョンユル:こだわった部分というと、『GAME』はゲームに例えたメッセージなので、ゲームの音が出るようにトーン・メイキングをしています。ハーモニクス(弦に軽く触れて倍音だけを鳴らす奏法)を使ったりしていて、ディレイをかけてトーンを下げるとゲームみたいなトーンができるんです。そこはこだわっているので、ライブでも聴いてください。
『GAME』で<変われ運命 音を立て動いた世界線>とありますが、皆さん、運命が変わったなと思った瞬間はなんですか?
テミン:やっぱりHi-Fi Un!cornになった瞬間じゃないかなと思います。その前はみんなもそうだったんですけれど、「ただ音楽が好きな人」だったので。僕もオーディションを受けるまではただの大学生で、自分の人生を頑張って生きている1人だったんですけど、本当に運が良くて、ありがたいことにオーディションを受けて優勝することができて。このメンバーに出会った瞬間から人生が変わって。その時からじゃないかな、と思います。
まさに『GAME』という曲は、皆さん自身も表しているんですね。
シュウト:そうですね。最後の歌詞にも<僕らを変えるのは 僕らにしかできない>とあるんですけれど、本当にその通りだな、と思いましたね。
バンドを結成してから2年ほど経過していますが、最初と比べてどの辺が1番成長したと思いますか?
シュウト:全体的に成長していると思いますが、目に見えてわかるのは、パフォーマンスの成長ではないかと思います。最初はその場の直径1メートルぐらいでしかパフォーマンスができなかったんですよ。でも最近はセンターステージや花道があったらそこも使いますし、端から端まで走り回ったり、客席まで降りてパフォーマンスしたりしています。
テミン:バンドとして、まず1人ずつの地力が良くなったと思います。シュウトが言ったようにパフォーマンス面もそうですし、ライブを以前よりも楽しむということがちょっとずつできていると感じます。メンバーみんなそうだったかもしれないんですけれど、最初はステージに立ちたいという思いより、緊張の方が強かったです。
でも今は早くステージに立って、お客さんと遊びたいという気持ちがより大きくなりました。ライブをもっと1つのショーにする方法を、練習して話し合いながら見つけていって。まだ完璧ではないんですれけど、いいライブをするバンドになったんじゃないかな、と思います。
Hi-Fi Un!cornはシュウトさんとテミンさんのツインボーカルですが、お互いに気を付けていることは何ですか?
シュウト:僕らのバンドはツインボーカルなので、結構掛け合いのところがあるんですよ。息を合わせるために、最初は「ここで目を合わせてやろうね」とか言っていたんですけれども、最近は自然にやったりしています。
なるほど。ヒョンユルさんはどんなところが成長したなと思いますか?
ヒョンユル:バンドはメンバー間の関係、ケミストリーが重要だと思いますが。僕らはオーディション番組で出会ったメンバーだから、それが当初は少し足りなかったと思います。でも今は心の深い部分までも話せるようになっていますし。ケミがよくなった分、ステージ上でもそれが見えてくるんですよね。目だけ合っても、もっともっと楽しくなっています。

ギユン:僕自身もですが、メンバーみんな一人でやってきたんです。だからバンドになって一緒に音楽を作っていく楽しさを感じるようになりました。自分一人の時は好きな曲だけでしたが、バンドが始まってから、みんなが好きな曲を探して、その曲を一緒に歌うといったことができるようになりました。
メンバー間で、「こういう曲をやりたい」といった話し合いもするのですか?
ギユン:そうですね。セットリストとか作る時にも、こんな曲が先にあればいいんじゃない、とか。最初は会社の人たちのアドバイスを受けながらいろいろ決めていたんですけれど、今はチームみんなで決めるようになっています。
ミン:グループとしては、みんなが言ったようにたくさんのことが成長したと思いますけれど、個人的には、僕はずっと1人でドラムを叩いて、誰も僕を見てくれなかったんです。でも今はたくさんのファンの人が見てくれて、うれしいですね。
音楽以外でも個性が光る5人のらしさ
ところで先ほどチェキに皆さんのサインを書いていただきましたけど、ヒョンユルさんの絵と字がとても上手でびっくりしました。

ヒョンユル:見本の字体を見て真似しただけです(笑)。でもイラストに関しては小学生の時から日本のアニメが好きで、『ドラえもん』とか『ONE PIECE』を真似して描いています。
メンバーの皆さん、音楽以外でもいろいろな才能をお持ちなんですよね。
シュウト:僕は書道かな?
テミン:僕は新しい言語を習うのが好きです。アメリカで住んでいた時もあったので英語には自信があるし、最近は中国語にも興味があって勉強しています。
ミン:僕は特にないかな?
ヒョンユル:ミンは人真似が上手。すぐマネしちゃいます。すごく観察力があるんですよ。
ギユン:僕もあんまりないかも。
ヒョンユル:ギユンは挑戦精神がすごいです。いつも新しいことをやっています。
本当に多才なメンバーがそろっていますよね。あとここで1つお伺いしたいのですが、私たちの媒体はLotusという名前で、日本語で言うと蓮の花となります。この作品を花や植物に例えると何をイメージされますか?
ヒョンユル:タンポポですね。『Beat it Beat it』は僕たちがメジャーデビューして、新しい挑戦もたくさんありました。そしてこの曲は一目惚れのメッセージなので、一目惚れをして本当に愛する人と出会ったら、人生が変わると思うんですよ。タンポポはもともと黄色い花ですが、綿毛になってまったく変わりますよね。だからタンポポなのかなと思います。
シュウト:僕はバラかな、と思います。曲的にはトゲがあるような、結構アクセントがあるような曲にもなっているし、大衆的にも好まれるようなロックの曲調でもあるので。バラはみんなが知っている花で、花言葉は愛や情熱ですよね。
バラって美しいイメージもありますし、告白にも使うじゃないですか。そういうイメージもありますし、情熱的なイメージもあるので、バラなんじゃないかなと思います。
ショーを見るようなライブにしたい
5月16日の大阪(なんばHatch)からアジアツアー「Hi-Fi Un!corn 1st ASIA Tour “Beat it Beat it”」が始まります。今回は日本だけでなく、ソウル・台北にも行かれるということで、意気込みを聞かせてください。

ギユン:僕たちは今までは日本だけでワンマンライブをしていたんですけれど、今回はソウルも台北にも行きます。国が違えば文化が違うので、ソウルと台北のファンの皆さんの反応がどうなるかが1番楽しみです。
皆さんのライブは進化中だと思うんですけれど、現時点で注目してほしいところを教えてください。
ミン:僕は後ろで見ていますが、メンバーが観客の皆さんと一緒に楽しく遊んでいる感じがして。なので僕たちのライブでは、お客さんがただ見ているだけでなく、僕らと一緒にライブを作り上げているというところが注目ポイントの一つだと思います。
確かに『GAME』の中にも最後<大胆に遊べ>というフレーズがありますけれど、遊ぶというのはテーマなのかもしれないですね。
ヒョンユル:本当に自分たちだけではできないと思っていますし、RaSiDo(Hi-Fi Un!cornのファンの名称)の皆さん、ファンの皆さんがいるからこそライブができるので、もっと観客の皆さんと遊べるようにしたいです。だから僕らのライブには体力が大事ですね(笑)。
テミン:ただステージの上で演奏するだけではなくて、一つのショーにしたいです。僕らの目標は、つねにライブを最初から最後まで1つにすることです。曲の間の繋ぎも気をつけて準備しているし、途中で流れが切れるようなところがあると、集中力がなくなるじゃないですか。
なのでずっと繋がっていますし、途中にあるMCも頑張って準備しています。最初から最後まで1つのショーを見た感じになれるように意識しているから、それが僕らのライブの特徴じゃないかなと思います。
ラストにデビューのシングルを楽しみにしているファンの方に、メッセージをいただけますか?
ミン:このインタビューを読んで興味を持っていただけたら、ライブに来て一緒に1つのショーを作りましょう!
テミン:今日はいっぱいお話しましたが、やはり僕らの魅力はライブに来て分かることも多いので、時間ができたらぜひライブに来てもらって、忘れられない記憶を一緒に作りたいですね。頑張ります!
シュウト:僕たちのライブに来たら、音楽の真の面白さがわかると思います。音楽って「音を楽しむ」と書くじゃないですか。その通りに僕らは音も楽しめますし、見ても楽しいと思います。
テミンくんも言っていたようにショーみたいなステージを準備しているので、ぜひライブに遊びに来てくださったらうれしいですし、僕たちの楽曲は本当にさまざまなシーンに合った楽曲があるので、僕たちの曲で毎日過ごしてみるのも面白いんじゃないかなと思います。たくさん聴いてください。
ヒョンユル:ちょうどメジャーデビューの時に僕たちに初めて出会った皆さん、これは絶対に運命だと思います。僕たちはファンの皆さんと出会って人生が180度変わりました。僕たちをそうやって作ってくれた皆さんに、とても感謝しています。だからもっと仲良くなりたいですね。そしてRaSiDoの皆さんには、もちろん会いたいですし、ライブでいっぱいファンの方とコミュニケーションを取りたいです。
ギユン:僕らは音に気持ちを込めていますし、今回のアルバムもたくさん準備して制作しているので、細かい部分まで楽しんでもらえたらうれしいです。そして、5月にあるツアーにもぜひ来てくれたらうれしいです。今回の活動も楽しみにしていてください!
TEXT キャベトンコ
PHOTO Kei Sakuhara
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